令和元年は台風や水害等による自然災害が相次ぎ、全国各地で多大な被害が出ました。
いまだに損壊した自宅の補修に追われ、避難所や仮設住宅などで新年を迎えた方も多数おられます。
今回は、自然災害ではありませんが、日常の生活において起こるさまざまな事故などに備える保険として、ぜひ加入を検討いただきたい個人賠償責任特約(日常生活賠償特約)についてご紹介します。
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目次
個人賠償責任特約(日常生活賠償特約)とは
個人賠償責任特約は日常生活賠償特約など保険会社によって名称が多少違う場合もありますが、今回は名称を個人賠償責任特約として説明します。
個人賠償責任特約は、個人が日常生活において偶発的に他人をケガ(死亡)させてしまった場合や物を壊した場合など、法律上の損害を賠償しなければならない場合に備える保険です。
どのような場合に補償されるのでしょうか
・ 子供が自転車を運転中、他人にケガ(死亡)をさせてしまった
・ 子供が野球の練習中に他人の家の窓ガラスにボールが当たり、割ってしまった
・ 飼い犬が他人を嚙んで、ケガ(死亡)をさせてしまった
・ 配偶者が立食パーティーで、隣の人のフォーマルドレスを汚してしまった
・ 契約者本人がゴルフの練習中にクラブが他人にあたり、ケガ(死亡)をさせてしまった
補償される家族の範囲
補償される家族の範囲(補償の対象となる被保険者)は保険会社により多少違う場合もありますが、一般的には以下の通りです。
・ 記名被保険者本人(契約者)まだは配偶者と生計をともにする同居の親族
・ 記名被保険者本人(契約者)または配偶者と生計をともにする別居の未婚の子
補償の範囲が何人でも保険料は変わりませんので、家族の人数が多い方が有利です。
ただし、子供が結婚した場合は、補償の対象から外れるので注意が必要です。
補償される限度額
保険会社によっては補償限度額が5,000万円~無制限まで保険会社によって違いがあります。
事例のような自転車事故でもケガだけではなく、死亡事故になってしまう場合も考えられますので、限度額が多い方、できれば無制限の保険会社に加入することをお勧めします。
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加入の方法
個人賠償責任特約は特約ではなく単独の主契約として加入できるものもありますが、ほとんどが自動車保険や火災保険・傷害保険等の損害保険の特約、またはクレジットカードに付帯して加入します。
もし、自動車保険と火災保険・傷害保険等やクレジットカードに複数加入している場合は、補償額の多い保険会社、それに加えて契約相手方との間でもめ事になった場合に備えて弁護士による「示談交渉サービス」がついている保険会社を選んで契約することをお勧めします。
保険料は補償額が無制限や弁護士の「示談交渉サービス」が付いている場合でも、年間1,500円程度で加入できます。
補償されない主な事例
・ 家族にケガをさせたり、家族の物を壊したりした場合(あくまでも他人が対象)
・ 仕事中に起きた賠償責任(日常生活上の事故が対象)
・ 自動車・航空機・船舶等の事故等(専用の保険が他にあるため)
・ 他人から借りた物を壊してしまった(保険会社によって補償される場合もある)
・ 心神喪失が原因でケガをさせたり、物を壊したりした場合
・ 日本国外で起きた事故等(保険会社によって補償される場合もある)
・ 戦争や地震など大規模な自然災害に起因する事故等
二重契約等に注意
もし、個人賠償責任特約に加入していない方は、ぜひ加入を検討してください。
加入している方は、
夫婦で二重に加入していないか
気づかないうちにクレジットカードに付帯されていないかなど
保険証券で確認してください。
併せて補償限度額がいくらになっているか、弁護士による「示談交渉サービス」が付いているかなども確認してください。
人数が増えても保険料は同じです
個人賠償責任特約は非常に安く大きな補償があるため、筆者も加入しています。
特に家族の多い方や子供さんのいる家庭などは、人数が増えても保険料は同じなので特にお勧めです。
補償限度額や補償される家族の範囲、「示談交渉サービス」が付いているか等、保険会社によって多少違いがある場合がありますので、よく確認したうえで契約してください。(執筆者:後藤 誠道)