ブラックリストと、スマートフォンの契約や料金の支払いは深い関係にあります。
ブラックリストに載っていると端末代金の分割払いができないため、新規契約や機種変更で苦労することになります。
一方で、スマホ料金を滞納すると他社でも新規契約ができなかったり、下手をすると将来、住宅ローンや自動車ローンが組めなくなったりするなど、大変な事態に陥る危険性もあります。
後悔しないために、スマートフォンとブラックリストの深い関係を知っておきましょう。
なお、この記事でお話しすることはスマートフォンだけでなく携帯電話にも共通することですが、端末代金が高額なスマートフォンについては特に深刻な話となるため、単に「スマホ」と表現します。
目次
ブラックリストに載っている人がスマホの契約で困ること

借金やクレジットカードの支払いの延滞が続くとブラックリストに登録され、新たな借入れやクレジットカードの利用ができなくなることをご存じの方は多いでしょう。
それだけではなく、ブラックリストに載っているとスマホの契約でも困ることがあります。
端末代金の分割払いができない
ブラックリストに載っている人でも、スマホを利用する契約(回線契約)は問題なくできます。
利用料が延滞されると、利用を止めることによって携帯電話会社は損失を最小限に抑えることができるからです。
ところが、端末代金の分割払いについては、そうはいきません。
端末を利用者に渡してしまう以上、携帯電話会社は確実に分割代金を支払ってもらえるかどうかを審査するため、利用者の信用を調査する必要があります。
そのため、ブラックリストに載っている人には端末の分割払いを認めないのです。
利用料を滞納していると新たな回線契約はできない
ブラックリストに載っている人でも載っていない人でも、スマホの利用料金を滞納していると新たな回線契約はできません。
料金を滞納した情報は各携帯電話会社の間で共有されているため、滞納しているキャリアはもちろん、他社でも回線契約を断られます。
ただし、借金の滞納などによるブラックリストが最低5年間は消えないのと異なり、スマホ料金の滞納情報は滞納料金を支払えばすぐに消されます。
したがって、滞納料金を支払えば、すぐにでも回線契約を結ぶことができます。
利用料を滞納するとブラックリストに登録されるのか
利用料を滞納すると、新たな回線契約ができないだけでなく、ブラックリストに載せられる可能性があります。
クレジットカード払いの場合は注意
スマホ料金の支払いにクレジットカード払いを利用している方も多いでしょう。
クレジットカード払いは便利ですし、ポイントも貯まるのでお得です。
しかし、クレジット代金を滞納するとブラックリストに登録されてしまいます。
スマホ料金を滞納しても「借金をしたわけではないから」と軽く考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、ブラックリストに登録されると借金を返せなかった方と同じ扱いになります。
借入れやクレジットカードの利用ができなくなるだけでなく、自動車ローンや住宅ローンも組めなくなります。
滞納を解消すれば5年で登録が消える
ただ、ブラックリストの登録は一生残るわけではなく、滞納を解消してから5年で消えます。
それでも、まずは滞納を解消してからさらに5年ですから、決して短い期間ではありません。
後悔しないためにはスマホ料金の支払いを軽く考えず、滞納しないことが重要です。
ブラックリスト登録の危険が増している

スマホ料金の滞納が原因でブラックリストに登録される人が近年増加しています。
その大きな原因のひとつとして、スマホの端末代金が高額化していることが挙げられます。
以前は、携帯電話会社の特定の料金プランに加入することなどの条件を満たせば端末代金が大幅に割引されていました。
「一括0円」や「一括1円」などのキャンペーンを利用して新規購入や機種変更をした方も多いでしょう。
しかし、改正された「電気通信事業法の一部を改正する法律」が2019年10月1日から施行されたことにより、端末代金の大幅割引はできなくなりました。
定期契約の解約違約金の上限が1,000円に抑えられたとともに、端末代金の割引も上限2万円に抑えられたのです。
この法律改正によって端末を安く購入することが難しくなったので、分割払いによって利用者が支払う月額が増加しています。
これによって、スマホ料金の滞納が原因でブラックリストに登録される人がますます増加するのではないかと危惧されているところです。
格安SIMや安価な端末も検討を
ご説明してきたとおり、スマホ料金を滞納すると大変なことになります。
利用料や端末代金の負担が厳しい方は、格安SIMに乗り換えたり、本体機能にこだわらず可能な限り安価な端末の購入を検討したりしてみてはいかがでしょうか。(執筆者:川端 克成)