企業の決算は多くが3月末です。
しかし、いくつかの企業は決算月が異なるため、投資家の注意が向いていない中で、好決算を出す銘柄もあります。
本記事では、そんな銘柄の中から、5月決算のヤマシタHDを紹介します。
数少ない5月決算の銘柄が、好業績を発表したときのインパクトを確認してみましょう。
目次
医療機器販売を主力とするヤマシタHD

ヤマシタHDは医療機器販売が主力の卸売事業をしています。
主力は一般消耗品と低侵襲治療、整形外科関連の専門分野商品となっています。
この3分野で売り上げの70%以上をカバーしており、消耗品から高額な機器までバランスよく手掛けています。
同社は安定かつ継続的な配当を実施する方針を示しており、連結配当性向を30%に定め、業績に応じた配当に努めています。
医療分野の卸売業のため、需要は安定していますが、突発的な事故などで業績に影響が出やすい体質と言えます。
好決算で一転増収増益の上、配当も増加
医療分野の卸売業を営むヤマシタHDは、1月8日に第2四半期決算を発表しました。
連結経常利益が前年同期比2.9倍の5億8,200万円となりました。
通期も41%上方修正し、減益予想から3.6%の増益見通しとしました。
この上方修正では、下期が大幅な減益となる計算ですが、現時点で慎重な見通しを続けているだけと言えそうです。
その証拠に、期末の配当を従来の32円から45円に大幅増額修正しています。
この調子なら、本決算に向けて連続上方修正も見込めそうです。
決算日に発表したNTT東日本との協業契約も注目
ヤマシタHDは決算と同時に、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)と協業契約の締結を発表しました。
その内容は、医療機関向けWi-Fi環境を、すぐに使える状態で提供し、導入から運用まで一括サポートするサービスです。
サービスは2つあり、
・ クラウド上で映像を管理しトラブル防止に活用できる「Mediらくカメラ」
です。
両サービスは、クラウドから医療機関のWi-Fiやカメラを統合管理するため、人手不足やICT担当者不在の医療機関の経営改善に役立ちます。
NTTと協力して提供していることで、医療機関の信用も得やすく、業績の伸びに貢献してくれそうです。
株価はまだ割安 いいタイミングで入るには

業績の上方修正と増配に加え、有望な新サービスをスタートするヤマシタHDですが、株式購入のタイミングはいつが良いでしょうか。
決算発表後、株価はストップ高を繰り返し1.5倍近く上昇しています。
こうなると手を出しにくいと思いますが、株価の割安性を示すPERとPBRを確認してみます。
ヤマシタHDの1月10日(金)現在の株価は2,400円です。
この株価におけるPERは14.5倍、PBRは0.90倍となっています。
PERはマーケットの環境に大きく左右されるので割安性を判断するのには難しいですが、PBRが1倍を割っているということは、明らかに割安です。
PERも好業績と増配の評価が織り込まれれば、20倍くらいまでの上昇は期待できそうです。
今はサプライズ決算の余韻で出来高、株価ともに落ち着きがありませんが、1月下旬に向けて株価が落ち着いたころに購入を検討すると良いかもしれません。
次の決算発表まで待てば、2割から3割の値上がり益を期待できそうです。
もちろん、将来性を見込んで長期保有し、配当金をもらうのも有効でしょう。
あなたの運用スタイルに合うタイミングで購入を検討してみてはいかがでしょうか。(執筆者:卜部 友二)