昨年の「老後資金2,000万円問題」で、老後のこと、資産形成のことを考えた人も多かったと思います。
投資を始めたいけれど、まだ一歩を踏み出せないという方にご参考になればと思い、
ということをお伝えしたいと思います。
目次
「iDeCo」や「つみたてNISA」で投資を長く続ける

私たち普通の生活者が自分で資産形成をするとき、優先的に使いたいのは、
・ つみたてNISA
です。
コストが安く、広く分散投資をする投資信託で、毎月決まった金額を積み立て投資していくことで、ゆっくり資産形成していけばよいと思います。
でも、せっかく、つみたてNISAをスタートしたのに、損失が出てびっくりしてやめてしまったという話を聞くことがあり、とても残念です。
投資のリターンがいくらになるかは誰にもわかりません。
ただ、続けることが大切なのです。
長期投資には「複利効果」がある
投資を長期で行うことがなぜ大切かといえば、複利効果があるからです。
元本に利息がつくだけではなく、「元本とついた利息」に利息がつきます。
複利で長い期間運用を続けると、利息はかなり大きくなります。
株式投資の場合は配当ですが、もう一つ、株価そのものも値上がりすることがあります。
長期で運用をつづければ、同じように複利効果があります。
つみたてNISAとは

「今年こそは資産形成をしていきたい」と思っている初心者さんにぜひ利用していただきたい、「つみたてNISA」の制度を改めてご紹介しましょう。
つみたてNISAは、2018年1月からスタートした積立分散投資を支援するための非課税制度です。
対象期間
これまでは37年までの制度でしたが、42年まで延長されることになりました。
積立上限額
つみたてNISAは、毎年40万円を上限として、一定の投資信託が購入可能です。
毎月積み立て投資をすることにすれば、月約3万3,000円です。
非課税で保有できる投資総額は最大800万円です。
非課税の内容
非課税というのは、
・ 値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)
が、購入した年から数えて20年間課税されないということです。
通常なら、運用益に対し約20%課税されます。
つみたてNISAの特徴
つみたてNISAの大きな特徴は、対象商品が、手数料が低水準で頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した投資信託に限定されていることです。
商品ラインアップは、金融庁のホームページで確認できます。
分散投資の重要性

さすがに今、投資はお金持ちでないとできないと思っている人は少ないでしょう。
今は、普通の生活者が、インターネット証券などに口座を持ち、少額から積立投資ができます。
投資で大切なのは、分散することです。
投資対象を分散する
つみたてNISAで買うのは「投資信託」ですが、私たちは、投資信託を買えば、世界中のさまざまな会社の株式にも分散投資ができます。
投資信託は、大きな袋の中にさまざまな会社の株式が入っているというイメージです。
なるべくたくさんの会社の株式を持っておくことで、個別株を1つ2つ持っているより、リスクを小さくできます。
この場合のリスクというのは、株の値段が上がったり下がったりすることですが、どこかの会社の業績が悪くて株価が下がっても、他のどこかの会社が業績良好で株価が上がっていれば、全体として、投資信託の値段を大きく下げるリスクを小さくできます。
投資時期を分散する
積み立て投資を設定しておくことで、毎月、決めた日に決めた金額で決めた投資信託を自動的に買い付けることができます。
例えば、毎月1万円ずつ買い付けていく場合、投資信託の値段が高い時はあまり買えませんし、投資信託の値段が安い時はたくさん買えることになります。
結果的に、平均の購入単価を抑えることが期待できます。
もちろん、株式投資は、安い時に買って、高い時に売れば1番もうかりますが、そのタイミングを狙うのは難しいので、自動的に買い付けるようにして、時間も分散しているわけです。
毎月1万円で長期分散投資をしてみる
資産形成で大切なのは、
です。
この時、手数料のなるべく安いものを選ぶこともポイントです。
投資は難しそうと思っている方も、つみたてNISAのラインアップの中から、世界中の株式に分散投資するインデックスファンドを1本持って、毎月1万円ずつ積み立て投資をスタートするということなら、ハードルが下がりそうです。
全世界の株式を幅広く保有できる投資信託
投資をする目的は、購買力(モノを買う力)を維持することにあります。
今後、マイルドなインフレが続くと考えれば、購買力を維持するために、私たちの生活を支えてくれている全世界の主要企業の株式を幅広く保有することは、合理的でしょう。
たとえば、つみたてNISAのラインアップでいうと、
・ 全世界株式インデックス・ファンド(ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ)
・ eMAXIS Slim全世界株式(三菱UFJ国際投信)
・ 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天投信投資顧問)
などが、世界中の株式に分散投資ができるファンドです。
投資をする際は、目論見書(投資信託の内容、運用方針、コストなどが説明されているもの)をよく読み、自己責任でお願いします。(執筆者:岩城 みずほ)