誰もが一度は経済的自由を獲得し、アーリーリタイアを実現したいと考えたことがあるのではないでしょうか。
実際に欧米では30代でアーリーリタイアを実現している人もいます。
それでは彼らは、どのようにして30代でアーリーリタイアを実現したのでしょうか。
今回は若くしてアーリーリタイアを実現する、「FIREムーブメント」の考え方についてお伝えしていきます。
目次
欧米では30代でアーリーリタイアする人が増えている
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「公的年金以外に2,000万円不足問題」や終身雇用の崩壊、働き方改革で残業代の削減など、今日の日本は将来に対する不安が増しています。
今後人口減少が加速し、経済のパイも縮小していくことから、長い人生を生き抜くために何かしなければならないと感じている方も多いでしょう。
実はこのように感じているのは日本人だけではなく、欧米など先進国でも同じです。
日本と状況は違えど、欧米諸国の20代、30代も将来に対する不安を抱えながら生きていきます。
そこで彼らはそのような状況でも悲観的にならず、自らの手で今後の人生を楽しもうと行動しています。
その根本となる考え方が「FIREムーブメント」なのです。
なぜFIREムーブメントが広がるのか
FIREムーブメントとは、Financial Independence Retire Earlyの略で、経済的自由と早期退職を実現することを指します。
FIREムーブメントが広がる層は、いわゆる「ミレ二アル世代」です。
彼らは物心つくころから携帯電話や自動車、ネット環境が普及していった世代で、モノを消費するよりも、コトに消費することに価値を置くことが特徴です。
自由な時間や個性を大事にし、自分でキャリアをデザインしようとする人が多いことも特徴です。
ミレ二アル世代は自分らしさを追求し、ワークライフバランスを大切にした生活を望む人が増えています。
このようなライフスタイルを実現するために、FIREムーブメントという考え方が浸透していきました。
アーリーリタイアを実現するためには
それでは具体的に彼らはどのようにして、アーリーリタイアを実現しているのでしょうか。
まず経済的自立と早期退職を実現するためには、徹底的な倹約と貯蓄の実現、計画的な資産運用が必要です。
そのためには以下の2つのことを実践していかなければなりません。
1. 徹底的な倹約で高い貯蓄率を実現
家計管理の基本の一つに、自分の生活費を知ることがあります。
自分の支出を知ることで、そこから削減可能な支出を把握し、改善し貯蓄率を上げていくことができるからです。
そのためにはまず、1か月でもいいので家計簿をつけてみましょう。
家計簿をつけて改善点を見つけ、それを解決するために行動し貯蓄率を高めていきます。
中には徹底的な倹約で、30歳で数千万円の貯蓄を実現する人もいます。
たとえば毎日スターバックスで1杯350円のコーヒーを買うと、
・ 年間で8万4,000円
・ 10年で84万円
も支出することになるのです。
このように日々の小さな支出を見直すだけでも、貯蓄率を高めることが可能です。
2. 4%ルールを実践
それでは具体的にどれくらいの貯蓄があれば、アーリーリタイアできるのでしょうか。
実はその金額を算出することはとても簡単で、「年間支出額の25倍」を用意できればアーリーリタイアは可能なのです。
月の生活費が20万円の例
たとえば月の生活費が、20万円で過ごすことができる人を考えてみましょう。
この人の場合、年間で240万円(20万円 × 12か月)の収入があれば貯蓄を取り崩すことなく、生活をしていくことが可能です。
つまりこの人が用意すべき金額は以下の通りです。
そしてこの6,000万円を年間4%で運用できるように、資産運用していければ貯蓄を取り崩すことなく生活することが可能なのです。
年間4%の運用を実現することは決して難しくはなく、アメリカでは資産運用で年間4%で運用することはごく一般的で、金融商品をしっかり選別しリスク管理ができれば誰でも実現可能なのです。
6,000万円を貯めるには
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それでは毎月どれくらい貯蓄をしていくことができれば、6,000万円の資産を作ることができるのでしょうか。
・ 年2回の賞与: 年100万円
・ 毎月の貯蓄 + 賞与: 年間280万円
年間280万円の貯蓄が実現できれば、10年で2,800万円、15年で4,200万円を作ることができます。
そして貯蓄する間も年4%で運用していくことで、10年で約3,400万円、15年で約5,700万円まで増やすことができるのです。
つまり上記の貯蓄率ではおおよそ16年あれば、6,000万円を作ることが可能です。
【参考】: 金融庁「資産運用シミュレーション」にて毎月の貯蓄額を280 ÷ 12 = 約23.3万円で計算
日本でも広がるのか
日本人のミレ二アル世代は、バブル崩壊後に生まれ、好景気の日本を知りません。
転職や副業も当たり前となり、どこの組織にも属さないフリーランスとして働く人も増えています。
また彼らも欧米のミレ二アル世代同様に、モノへの依存はなく、自分の個性を大事にしながらコトに消費をしていきます。
日本の将来とミレ二アル世代の特徴を踏まえると、日本でもFIREムーブメントの考え方は広がっていく可能性は十分にあるのではないでしょうか。(執筆者:FP2級 福森 俊希)