近年、相続税を支払う人が急増しています。
理由は、2015年に相続税の基礎控除が引き上がったからです。
2014年までは、一人当たり、「5,000万円+1,000万円 × 法定相続人の数」まで基礎控除として認められていました。
しかし、2015年からは、3,000万円+600万円 × 法定相続人の数になってしまいました。
この影響で、2014年までは、相続税を支払う人は、全体の約4%でしたが、2015年からは約8%になっています。
相続税の対策が必要ない人も、相続税の対策をしなければいけない時代になっているのです。
今回は、相続税の対策として医療保険を使ったプレゼントプランについて説明します。

目次
医療保険を使ったプレゼントプランとは
医療保険に加入している人は、生命保険文化センターによると、約88.5%にも及ぶようです。
多くの方が加入している医療保険ですが、皆さんは、医療保険を相続対策に利用できることはご存じでしょうか。
医療保険の一般的な保険料の支払い方は、「月払い」もしくは「半年払い」や「年払い」が多いと思います。
しかし医療保険の中には、全期間の保険料を一括で支払うことのできる、「全期前納」といった保険料の支払い方があります。
この「全期前納払い」を利用することによって相続対策に医療保険を利用することができるのです。
契約形態は以下です。
被保険者:医療保険の保障が必要な人(子どもや孫)
死亡保険金受取人:相続税の支払いが予想される人(親や祖父母)
契約者は保険料を払う人になるので、契約者である親や祖父母の金融資産を減らせます。
もし、契約者に万が一のことがあった場合、契約者変更が必要になり、医療保険の解約返戻金が相続税の対象です。
しかし、一般的な医療保険は解約返戻金が極少額もしくは解約返戻金がないことが多いので、結果的に医療保険に入らずにそのまま預貯金にしておくよりも相続税の節税になるのです。
また被保険者である、子どもや孫は一生涯の医療保障を自分で保険料を払わずに手にできます。
医療保険のプレゼントプランのメリット
医療保険のプレゼントプランのメリットは、相続税の節税になることと、子どもや孫が一生涯の保障を手に入れることができることです。
相続税の節税になり、かつ子どもや孫は一生医療保険の保険料を払うことなく医療保障を受けることができるメリットは非常に大きいと思います。
医療保険のプレゼントプランのデメリット
医療保険のプレゼントプランのデメリットは、1度、医療保険にしてしまうと元にもどせません。
医療保険は先ほども述べましたが、解約返戻金がほとんどありません。
解約してもお金が戻ってくることはないので、しっかり検討したうえで医療保険のプレゼントプランは実行することが重要です。
今後、相続税を払う人は増えるので一考の余地あり
今回は、相続税の節税方法の1つである医療保険のプレゼントプランについて説明しました。
今後、相続税を払う人は増えていくことが想像されます。
相続税は、一部の富裕層に関係するものではなく、すべての人に関係するものになるかもしれません。
今回の記事を参考に相続税の節税の方法について理解していただければ幸いです。(執筆者:渡辺 たけし)