低金利政策になって銀行の預金に付く利息が少なくなり、預けているだけではお金が増えない時代になっています。
このまま預金を続けた方がよいのか、何かしらの金融商品で運用をした方がよいのか迷っている人も多いかもしれません。
今回は、金融商品選びにも役立つ「72の法則」と呼ばれる金利とお金の増え方の関係について紹介します。
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目次
「72の法則」で「お金が倍になるのにかかる時間」が分かる
「72の法則」とは、複利効果も含めて「お金が2倍になるのにかかる時間」を求めるための計算式を指します。
資産の推移は、銀行や保険の営業、ファイナンシャルプランナーなどに相談して計算してもらうものだと思われていますが、
「72の法則」計算式
具体的には、
の式で求められます。
銀行預金の場合
今はメガバンクの金利が0.01%なので、そのまま銀行に預けていると
という計算結果が得られます。
つまり、今の預金利息では100万円を200万にするのに7,200年かかってしまうのです。
何千年もかかるとなると老後資金どころではありません。
投資信託の場合
一方で、年利3%の投資信託を購入していたとすると、
となり、老後まで24年程度残っているという人であれば、今あるお金を2倍にすることが可能だということです。
仮に、いま500万円あれば1,000万円にできるのですから、老後の生活費としてかなり心強いですね。
現在預けている預金や投資信託、債券などの利回りをもとに、ぜひ「72の法則」を使って計算してみてください。
「72の法則」で「ある時点までにお金を倍にするために必要な金利」が分かる
さらに、同じ計算式を使ってお金を倍にするために必要な金利を求められます。
金利を求める場合には、式を変形して
とします。
例えば、「今40歳で60歳までに手元にあるお金を2倍にしておきたい」とする場合、時間の部分に「20年」を入れて、
という結果になります。
これが分かれば、投資信託等を購入する際に自分が年利何%程度の商品を買えばよいかがわかります。
当然ながら、かける年数が短くなるほど必要な金利は上昇してしまいますが、高い金利の商品は同様にリスクも高くなってしまうので注意が必要です。
「つみたてNISA」や「iDeCo」で「積み立てる」場合
老後資金準備のために「つみたてNISA」や「iDeCo」を始めたという方も多いかもしれません。
「つみたてNISA」や「iDeCo」などで積み立てながら資産運用する場合は、「年金終価係数」と呼ばれる係数を用いた少々複雑な計算が必要です。
自分で計算するのは大変なので、web上の計算機などを用いて算出するのがおすすめです。
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「つみたてNISA」や「iDeCo」でどのような商品を買うか迷っている方や、今保有している商品のままでよいのか不安という方はぜひ活用してみてください。
自分に最適な金利を求めたうえで金融商品を選ぶ
老後資金準備といっても、ただやみくもに貯金を続けていては時間がかかってしまいますし、高リスクな投資で資産を減らしてしまっても意味がありません。
効率的な資金準備をするためには、「72の法則」や「年金終価係数」を用いた計算で自分の年齢や状況に応じた最適な金利を求めたうえで金融商品選びをしていくことが大切です。(執筆者:島村 妃奈)