春は入学と進学の季節です。
入学にあわせて塾を検討する家庭も多いのではないでしょうか。
とくに中学入学のタイミングは高校入試に備える必要があり、多くの家庭が塾や通信教育に興味を持ちます。
せっかく費用が安い公立中学校に入学しても、塾選びで失敗してしまっては、私立の学費とさほど変わらない出費をすることになるかもしれません。
今回は、下手をすれば家計を圧迫しかねない塾代について3つのポイントをお話ししましょう。
上手な塾選びをすることで、お金だけでなく子どもの貴重な時間も守ることができるのです。
目次
1. 塾代に比例するものは学力ではなく親の安心感
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公立中学校に入学した場合、3年後には高校受験が待っています。
小学校よりも授業のスピードも難易度も上がり、高校受験を考えると「塾に通わせたい」と思う親が多いでしょう。
3月の合格発表が終わると、大手塾は合格者の人数を大々的に発表して新入塾者の募集を開始します。
窓に「県内難関校合格者多数」と大きく張り紙がされていれば、「この塾に入れれば大丈夫かも」と思ってしまいます。
親は、塾代が家計を圧迫しても「受験の成功のために塾代は必要経費」と思って塾代を工面します。
しかし、塾代と学力は必ずしも比例しません。
有名な塾、塾代が高額な塾に入れることで無条件に得られるものは学力ではなく、
です。
「塾代を節約したい」と思うことは、「子どもにとってかわいそうなこと」、「親としてふがいないこと」と思う人もいるかもしれません。
しかし、「高いお金を払っているのだから、それ相応の学力をつけて元をとってこい」と塾に通わされる子どものほうがかわいそうなのではないでしょうか。
塾代節約の第1のポイントは、
です。
2. 子どもの得手不得手を把握する
子どもの得手不得手を把握し、特徴や性格に合った塾を選ぶことも節約につながります。
不要な授業を減らす
多くの塾は、受講する科目数で費用が変わります。
すなわち、5科目受講していればそれなりに塾代が高くなるというわけです。
しかし、5科目中数科目は独学でも理解できているのではないでしょうか。
例えば、国語の成績が悪い場合には国語のどの分野が苦手なのかを考えます。
読解力や問題の解き方が苦手な場合は塾が必要かもしれません。
一方、漢字の読み書きが苦手ならば、塾で勉強するよりも自宅で漢字練習をした方が成績アップにつながるでしょう。
塾代節約の第2のポイントは、
かもしれないということです。
子どもに合った規模の塾を選ぶ
また、性格によっては大勢の中で質問ができない子どももいます。
グループで講義する塾の場合には、講義の途中でわからないことがあっても手をあげて質問することが難しいかもしれません。
塾が終われば友達と一緒に帰るため、居残りして質問することも難しいでしょう。
そうなると、せっかく塾に通っていても「お客様」になってしまい、観客のように座って帰ってくるだけの場所になってしまいます。
子どもの性格によっては、週3日の大手塾に通わせるよりも、もっと授業料の安い小規模な塾に週2日通わせた方が、効率的に時間とお金を使えることもあります。
3.「隠れ費用」を節約する
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塾代といえば、毎月の月謝につい目がいってしまいます。
しかし、実は塾に払う塾代と同じくらい「隠れ費用」による出費が大きいのです。
「隠れ費用」とは、
・ 塾の間に食べる食費(弁当代)
です。
交通費
有名塾は、住宅街の中ではなく大きな駅の近くにあります。
電車やバスに乗って塾に通えば、交通費がかかります。
学校の通学ならば学割が適用されますが、予備校の昼間部など一部の塾をのぞき、塾の交通費に学割は適用されません。
しかも12歳以上(12歳の小学生はこども料金)はおとな料金になるため、通塾する頻度が高ければ交通費の負担も大きくなります。
です。
食費
また、講義開始時間によっては夕飯を持っていく、もしくは外で買ったり食べたりすることになります。
コンビニエンスストアで弁当を買えば約500円、手作り弁当でもそれなりにお金はかかるでしょう。
週3日500円の弁当を買えば、月6,000円です。
です。
「隠れ費用」の節約方法
「隠れ費用」を上手に節約することで、塾代の総額を減らすことができます。
隠れ費用の節約には、
・ 夕飯を自宅で食べることができる
という自宅近くの塾や時間帯を選ぶことがポイントです。
この2つのポイントには、子ども自身の負担を減らすメリットもあります。
自宅近くの塾を選ぶことで、交通費の節約だけでなく、子どもの体力の負担軽減、通塾時間の短縮による自宅学習時間の増加が期待できます。
すなわち、塾代節約の第3のポイントは、
ということです。
夕飯を自宅で食べることは、弁当代の節約だけでなく家族の会話や栄養面でもプラスでしょう。
塾もお金も続くようにプランを立てる
新学期は「出遅れてはいけない」という焦りが出やすく、お金のことまで考える余裕がないかもしれません。
しかし、入塾して慣れたころに「やっぱりお金が続かないから塾を変えて」とは言いにくいものです。
まだ入塾するまでに時間がある今こそ、3年間を見通したマネープランをしっかりとたてて塾選びをしましょう。(執筆者:式部 順子)