在宅ワークと言えば子育て中の主婦が行うのが定番でしたが、最近ではクラウドソーシングなどのサービスを利用して子育てや会社人生を卒業した人が在宅ワークを始めるケースが増えているようです。
ただ、在宅ワークを甘く見ると落とし穴にはまって痛い目を見ることがあります。
私も子育ての終わりを機に在宅ライターを始めた当初は、在宅ワークと家事との両立は十分可能だと考えていました。
ところが、仕事の受注数が増えるにつれて家事との両立が困難になりました。
また、高齢の親をサポートする必要にも迫られ、一時期は仕事と家事の両立どころか睡眠時間さえ捻出できない事態に陥り、体調も崩しました。
その反省をふまえて、この記事では在宅ワークの3つの落とし穴について解説します。
在宅ワークを始める人が無理なく仕事を続けるために必要なこともお伝えしたいと思います。
目次
落とし穴1:家事との両立が意外と難しい
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主婦(夫)が在宅ワークを始めるとさまざまな障壁にぶつかります。
その筆頭が、家事との両立の難しさです。
たとえば、個人事業主として仕事をしている場合には、仕事をした分だけ報酬を受け取る形です。
したがって、毎月一定以上の収入を得るためには、場合によっては休日返上で仕事をする必要に迫られ、家事に手が回らないことも多々あります。
ところが家事の時間を仕事に充てようすると、「在宅ワークだから家事の時間も十分取れるはず」と考える家族から辛辣なクレームがきます。
それが仕事を続けるうえで大きな障害になることは言うまでもなく、作業効率が落ちて月の収入が減ってしまう場合もあります。
以上のような状況を改善するためには、次の2点に取り組む必要があります。
対策1:家事の大幅な簡略化
・ 掃除回数を毎日から週に数回に削減
することで、家事の時間を仕事に回せれば自ずから収入も上がります。
また、子育て中の在宅ライターの中には、「お弁当宅配サービス」や「家事代行サービス」を利用している人もいます。
対策2:家族の理解と協力を求める
家族に、
・ 在宅ワークで家計に及ぼすよい影響
についてよく説明し、何度も根気よく理解と協力を求めることも必要です。
できれば、在宅ワークを始める段階で家族会議を開くことをおすすめします。
落とし穴2:育児・介護が加わるとさらに両立が難しくなる
子育てや介護などとの両立も加わると、さらに困難な状況になります。
たとえば、仕事が理由で子どもに手が回らなくなった結果「子育てもろくにできないのか」などの心ない声を浴び、子どもに十分に手をかけてやれない罪悪感を抱えて苦しんで仕事をする若いお母さんの声もよく聞きます。
私のように年齢が上がると、今度は高齢の親の介護が視野に入ってきます。
実際に昨年、私自身の親も大きく体調を崩しました。
そのサポートにかなり時間をとられて仕事に充てる日中の時間が激減し、仕事時間が夜中にずれ込むこともしばしばでした。
そのような状態になると、本当に効率よく仕事をしなければ月に1万円も稼げないのです。
対策
仕事をメインにするなら、
のも1つの方法です。
またそれが難しい場合には、
方がよいでしょう。
手取り月収1万円でも1年で12万円、5万円なら年間60万円貯まると考えれば、収入が少なくても継続へのモチベーションを保つことができます。
それでは満足できない人もいるかもしれませんが、重労働の育児や介護と両立しながら無理に在宅ワークをするのはNGです。
オーバーワークで体調を崩して病院のお世話になり、せっかく稼いだお金が医療費に消えるよりはましだと考えましょう。
それについては、以下でもう少し詳しく説明します。
落とし穴3:1人ブラック企業状態で体調を崩し医療費も増加
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在宅ワークは仕事に切れ目がないので、1人ブラック企業状態になりやすいのも大きな落とし穴です。
その結果体調を大きく崩した私の失敗談を紹介します。
失敗談:多忙なうえに無理を重ねてダウン
去年は仕事や家事をしながら体調を崩した親のサポートにも追われ、かなり忙しい状態でした。
また、ライフワークにしているボランティアで責任ある仕事を担当し、それも忙しさに拍車をかけて在宅ワークとの両立が難しくなりました。
しかし、仕事が面白くなってきていた私は自分の受け入れ能力を超えた量の仕事を受けてしまい、時に徹夜することもいといませんでした。
それほど仕事にやりがいを感じていたのです。
その結果、突然の難聴でダウンしてしまいました。
幸い聴力は戻りましたが、そこに至るまでの医療費自己負担額はなんと5万円以上になりました。
わが家の医療費自己負担額は例年の3倍に激増したのです。
その結果、
となりました。
原因と対策
在宅ワーク、特に業務委託で働く人にとって怖いのが、仕事に切れ目がなくどこで休んでよいのかわからなくなることでしょう。
その結果、趣味などの息抜きの時間を犠牲にしてでも休みなく仕事をしてしまうことも多いのです。
また、それが自分に合っている仕事の場合には、精神的なストレスが少ない分、体へのダメージに気づきにくいようです。
知らないうちに体にストレスがかかり突然ダウンすることもあるということに気づかされました。
この教訓から、私が現在心がけているのは
(2) 夜中に仕事をしない
(3) 長年やっている趣味やボランティアの時間を犠牲にしない
の3つです。
そのためには、十分な睡眠時間と適度な運動、徹底した時間管理などが必要ですが、それらは在宅ワーカーに限らず全ての人が健康であるために必要なことでしょう。
つまり、
になるということです。
しかし、それらを万全にしているつもりでも、突然の病気などで仕事や取引先への連絡がとだえることがないとは言えません。
それに備えて緊急時の連絡手段なども事前に決めておき、取引先の信用を失わないためのリスク管理も万全にしておく要があります。
在宅ワークを始める人に覚えておいてほしいこと
在宅ワークを始めるのであれば、次のことを覚えておいてください。
・ オーバーワークは医療費増と収入減の要因になる
・ 健康管理こそが在宅ワークを成功させるカギとなる
できれば在宅ワーカーになる前から以上のことを常に意識し、在宅ワークを始めたら無理のない範囲で仕事を続けましょう。
それが長続きさせる秘訣です。(執筆者:大岩 楓)