親の習い事に対する根本的な考え方は、昔も今も大きくは変わっていないのかもしれません。
しかし、その親心で続けさせている習い事費が、家計に大きな影を落としていることがあるのです。
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目次
子どもの習い事費が家計を圧迫
内閣府が平成22年3月に発表した「インターネットによる子育て費用に関する調査報告書」によると、習い事の月謝等の支出は子どもが4歳になった頃から一気に増え始め、小学校3~4年生の年間7万8,174~7万8,804円がピークとなっています。
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子どもの将来や才能を思えばこそ、「習い事にかかる費用は節約したくない」と考えている方も多いでしょう。
しかし、子どもにかかる教育費は、習い事費用だけではありません。
子どもの学年が上がるにつれて、学費や部活費、塾費用が家計に大きくのしかかってきます。
世帯収入がなかなか増えないなかで、子どもの習い事にかかる費用が大きな負担になっている家庭は、意外と多いのかもしれません。
「親の都合」で続けているなら見直しの余地あり
習い事をしている子どものなかには、毎日異なる習い事に通っている子どもが少なからずいます。
子ども自身が好きで続けているのなら、その習い事にかかる費用は「子どものため」に本当に価値ある出費です。
しかし、もし親の見栄や親の帰宅時間など、親の都合で習い事を続けさせているのなら、家計改善のために思いきって見直しをする余地はおおいにあります。
まずは、子どもが興味を持たなくなってしまった様子に気付いたら、
を親子で話し合って、子どもの意見に耳を傾けてみるとよいでしょう。
筆者の家庭でも、子どもが3歳から始めさせた習い事がありました。
しかし、だんだんと他のことに興味を持つようになり、レッスンを受けていてもやる気のないそぶりが目立つようになりました。
ちょうど離婚後で家計の大幅な見直しを行っていたので、子どもとよく話し合って習い事はすべてリセットすることにしました。
月謝として毎月2~3万円、そして発表会費用として年間10万円かかっていた習い事費がなくなり、家計が大きく改善しました。
さらに、浮いた習い事費をコツコツと貯金に回したことにより、数年後の私立高校への進学時にとても助かりました。
高校~大学の教育費は予想以上のピークに
幼稚園から小学校低学年までにかかる習い事費を含む教育費については、習い事を厳選し最低限に抑えておくほうが賢明だと言えます。
なぜなら、
からです。
子どもがいれば教育費のピークがいつなのかを知っているはずなのに、子どもが幼いときの習い事で将来使うはずのお金をすでに使い過ぎている家庭も少なくないのです。
本来であれば、
のです。
その「貯め時」に習い事で将来の教育費を先に使ってしまっては、教育費のピークになる大学進学時に
・ 貸与奨学金を借りなくてはならない
といった本末転倒の結果を招きかねません。
つまり、教育費のかけ時は小学校3~4年生の「いま」ではないということです。
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家計の未来を見据え「本当に子どものためになる」習い事に絞る
子どもの世界が少しずつ広がってくる幼稚園、保育園時代は、ママ友の間でも「子どもの習い事」が大きな関心事です。
しかし、習い事は「絶対にしなくてはならない」ものではありません。
家計の状況と、数年後に必ずかかってくる教育費のしっかり見据えて行動しましょう。
まずは、周りに流されることなく、本当に「子どものために」なる習い事を見極めて整理するところから始めてみませんか。
家計の負担だけではなく、子どもの負担もかなり軽減されるので、家庭において穏やかな雰囲気の中で過ごせるようになるはずです。(執筆者:花見 結衣)