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自宅学習は親も負担

新型コロナウイルスの影響で、全国の小中学校で一斉休校が先日から始まり1週間がたちます。
まだ最後の単元まで授業を終えていなかった学校がほとんどで、いきなり学校へ行けなくなった子どもたちは、自宅学習で教わっていない内容を理解しなくてはなりません。
ただでさえ非常時で日用雑貨が不足していたり、仕事を休むことになって大変な親たちに、学習サポートというさらなる負担がのしかかっています。
そこに、大手通信学習サービス会社が「無償で」学習ワークを提供すると先日発表しました。
その内容と特徴、使い方を紹介します。
進研ゼミ

進研ゼミは小1~高2を対象に「3学期の総復習ドリル」を3/2から配布しています。
申込方法は
・ 郵送(在庫状況により、すべての家庭に配布ができない場合がございます。)
・ WEBからのダウンロード
の2種類あります。
郵送の場合は30万冊まで増刷を決定しているようですが、受付初日に既に10万冊の申し込みがあったようですので、郵送してほしい方は早めに申し込んだ方が良さそうです。
WEBから同じ内容をpdfファイルでダウンロードもできます。
教科書に沿ったオーソドックスな内容で、答えのページに「間違えたらここを読もう!」とポイントがわかりやすく解説されている点がとても親切だと感じました。
この答えを活用すれば、高学年のお子さんなら1人で学習を進めることもできそうです。
進研ゼミでは、3学期の総復習ドリル以外にもいくつかの学習コンテンツを無償で提供しているので、ワークでは足らない場合にも活用できます。
学研
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学研は小1~中3を対象に「ニューコースデジタル学習システム」というデジタル学習ドリルを、3/2~3/31まで無償で提供しています。
専用ページにて期間限定IDの発行ボタンを押すと、ログインIDとパスワードがその場で表示され、以後これらを使ってデジタル学習ドリルのシステムを利用します。
ID発行の際に特に個人情報の入力が求められなかった点も、今回の無償提供が善意によるものだと伝わってきて好印象でした。
ドリルはパソコンを使って問題に答えますので、国語の漢字問題などは実際に書くのではなく、正しい答えを選ぶような形式です。
ドリルは「要点解説ムービー」、「穴埋め式の要点整理カード」、「問題演習」の3部形式になっていて、特に要点解説ムービーは終わらなかった教科書の内容を理解するのにとても良いコンテンツだと思いました。
また進研ゼミ同様、ニューコースデジタル学習システム以外にもいくつかの学習コンテンツを無償で提供しています。
Z会

Z会は小1~高3を対象にした学習教材を、3/2から無償で提供しています。
小学校3年生~6年生向けには理科と算数の教材を提供しているのが特徴で、教科書の出版社別に要点と基礎の演習問題がまとめられている親切なつくりです。
pdf形式で提供されています。
理科は実験をしてやっと「ああそういうことか」とわかる内容が多いため、休校により授業が受けられないことが特に痛手となる科目です。
Z会のワークは実験の絵がわかりやすいので、その点をカバーしてくれると感じました。
また進研ゼミや学研と比較すると、キャラクターが話しかけてくることがなく、シンプルな印象です。
さらっと読み流してしまうのを防止するためにも、親が会話しながら一緒に取り組むと学習効果が高まると思いました。
無償のワークを活用して休校期間を乗り切ろう
今回3社の提供する無償ワークを入手するにあたり、進研ゼミのワーク郵送を除いて、個人情報の提供が必須ではなかったことに驚きました。
通信学習サービスの問い合わせをすると、たくさんのDMや営業電話がかかってくる懸念がありますが、連絡先を伝えないのでそういった心配がありません。
いまだ終息の道すじが見えない新型コロナウイルス問題
休校期間を3月半ばまでに一旦区切っている学校も、さらに休校を延長する可能性は高いです。
終わらなかった学習内容を理解し、安心して新学期を迎えられるように、無償のワークを活用しましょう。(執筆者:石田 彩子)