雇用保険の失業保険(基本手当)の日額の算定の基礎となる賃金日額について、「毎月勤労統計」の平均定期給与額の増加、または低下した比率により、賃金日額を変更します。
これに伴い、令和2年3月1日より支給額が変更になる場合があります。
対象になる方には、令和2年3月1日以降の認定日に配布される受給資格者証に新しい「基本手当日額」が印字されます。
目次
「賃金日額」と「基本手当日額」
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雇用保険では、離職者の「賃金日額」(「雇用保険受給資格者証」(第1面)の14欄に記載)に基づき、「基本手当日額」(「雇用保険受給資格者証」(第1面)の19 欄に記載)を算定しています。
・ 「基本手当日額」…基本手当の1日当たりの日額
基本手当日額は、下記の計算式で算出します。
賃金水準が低いほど高い給付率となります。
上限額と下限額
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「賃金日額」及び「基本手当日額」について上限額と下限額が設定されています。
※( )内は前年度との比較による増減です。
(1) 賃金日額
【賃金日額の上限額】
30~44歳…1万5,140円(+0)
45~59歳…1万6,660円(-10)
60~64歳…1万5,890円(+0)
【賃金日額の下限額】
(2) 基本手当日額
【基本手当日額の上限額】
30~44歳…7,570円(+0)
45~59歳…8,330円(-5)
60~64歳…7,150円(+0)
【基本手当日額の下限額】
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例を挙げて説明してみましょう。
(a) 「賃金日額」を出します。
・ 賃金日額は上限1万6,660 円が適用
(b) 次に「基本手当日額」を出します。
・ 賃金日額が1万6,660 円(給付率は50%)となるため、基本手当日額の上限が8,330 円となり、基本手当日額は8,330 円です。
その他の給付について
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「毎月勤労統計」の平均定期給与額の増加し、または低下した比率により下記の給付の支給限度額も変更になります。
※( )内は前年度との比較による増減です。
【高年齢雇用継続給付】
最低限度額 2,000円(+0)
60歳到達時の賃金月額について
・ 上限額 47万6,700円(+0)
・ 下限額 7万5,000円(+0)
【育児休業給付】
支給限度額
・ 下限額(支給率50%) 227,100円(+0)
【介護保険給付】
この春から、私たちにとってとても大切な変更となります。しっかりと理解しておきましょう。(執筆者:社会保険労務士 高橋 豊)