2020年度より小学校の新学習指導要領が施行されます。
文部科学省によると、新学習指導要領では従来の知識偏重教育から、自分で課題を発見・解決する「思考力・判断力・表現力」つまり「考える力」の養成に力を入れる方向に転換していることが分かります。

ここで注目したいのは、「思考力・判断力・表現力」といった「考える力」は、従来の国語・算数といった教科学習の中で教え方・学び方を変えることによって身につける方針であることです。
主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点から「何を学ぶか」だけでなく「どのように学ぶか」も重視して授業を改善します。
文部科学省「平成29・30年改訂学習指導要領のくわしい内容」
しかし、このアクティブ・ラーニングは教師の技量に頼るところが大きく、学校間・クラス間でも差が表れやすいことが懸念されています。
保護者にとっては、ある程度は家庭学習でサポートしておけるよう準備していた方が安心といえます。
家庭でできる「考える力」を伸ばす方法のうち、通信教育と知育アプリを比較してみましょう。
目次
子供の「考える力」を伸ばす
家庭でできる「考える力」を伸ばす方法には、どのようなものがあるのでしょうか。
最もお金がかからないのは、保護者が「思考力・判断力・表現力」といった「考える力」をよく理解し、日常生活を通して子供に工夫しながら教えていく方法です。
しかし、このような余裕がある家庭は少ないのではないでしょうか。
学習塾・通信教育
学習塾や通信教育では国語・算数などの従来科目に加えて「考える力」に対応した追加講座を設定して、小学校の新学習指導要領に対応した「思考力・判断力・表現力」もサポートしています。
ほとんどの学習塾や通信教育では、追加講座のみの受講は不可になっています。
「低学年のうちは塾や通信教育は必要ない」、「教科学習は問題ないので『考える力』だけサポートしたい」と考える保護者にとっては、不要な出費が伴う方法といえます。
知育アプリ
知育に特化したアプリでは、国語・算数などの従来科目の学習機能はありません。
単体で独自のコンテンツを通して「考える力」を養うことができます。
「国語・算数も含めてまとめて勉強をサポートして欲しい」という保護者には物足りない内容ですが、「教科学習は問題ないので『考える力』だけサポートしたい」という保護者にはピッタリの方法といえます。
数ある家庭学習の中から、どちらも専用機ではなく一般的なタブレット端末で学習できる「Z会小学生タブレットコース1年生」と「知育アプリ シンクシンク(5~10歳対象)」を比べてみましょう。

Z会小学生タブレットコース1年生の特徴

通信教育大手のZ会には、市販のタブレットを使って通信教育を受講できるコースがあります。
2019年から従来の教材に加え、子供の「考える力」を伸ばすプログラミング学習やワーク教材が追加されました。
Z会小学生|プログラミング学習 Z-pro
自分で課題を発見し解決していくプログラムを用意し、
「問題解決力」
「創造力」
の3つの力を鍛えて、プログラミング的思考を伸ばす土台を養います。
Z会小学生 みらい思考力ワーク
思考力の幅を広げるため、
「試行錯誤力」
「論理的判断力」
「情報整理力」
「注意力」
「推理力」
の6つの力を養う問題を出題します。
知育アプリ シンクシンク(5~10歳対象)の特徴

シンクシンクは、5~10歳向けの思考力育成アプリです。
国産アプリですが、「Google Play Awards」を受賞し日本以外にも150か国・延べ100万ユーザーに利用される高品質な子ども向けアプリ教材です。
「平面認識」
「試行錯誤」
「論理」
「数的処理」
の5分野から構成される問題を出題します。
教材は1回約3分のミニゲーム形式で、78種類1万問(スタンダードコース)収録しています。
1日3回までの利用制限で、長時間のゲーム没頭を防止します。
シンクシンクはコース選択可能
シンクシンクはコースごとに取り組める問題数が異なり、「子供向けのシンプルな問題を試したい」という人から「大人レベルの問題にチャレンジしたい」という人にまで、幅広い内容が用意されています。
また、有料コースでは複数ユーザーが登録可能なので、親子や兄弟で取り組みたい家庭にはお得です。
無料・1ユーザー・1日1回・32種5,400問~
【スタンダードコース】
月額300円・3ユーザー・1日3回・78種1万問~
【プレミアムコース】
月額980円・6ユーザー・1日3回・100種1万5,000問~ + ハイレベル問題
「シンクシンク」2020年3月限定の無料開放
アプリ「シンクシンク」は、世界規模で広がる新型コロナウイルスの現状を受け、3月1日から31日までの1か月間、有料コースを含めた全てのコンテンツを全世界のユーザーを対象に無料開放しています。
この機会に、「学ぶ力」を伸ばす知育アプリを試してみるのもよいと思います。(執筆者:2級FP技能士 久慈 桃子)