これからの季節は新じゃがが多く店先に並びますが、実はじゃがいもの旬は春だけではありません。
ここでは、じゃがいもの旬と価格の関係、新じゃがの選び方と保存方法、さらには新じゃがの時短簡単レシピを紹介します。

目次
じゃがいもの旬はいつなのか
じゃがいもは日本中で栽培され、保存もきくことから1年中流通していますが、旬は大きく分けると2回あります。
1つは、北海道産のじゃがいもの旬です。
流通の6割を占める北海道産のじゃがいもは、秋に旬を迎えてこの時期の流通量が最も多くなります。
もう1つは、北海道以外の地域のじゃがいもで主に秋植えされる種類です。
秋植え種で、完熟前に収穫されて貯蔵されずに市場に出回るものを新じゃがと呼びます。
成長途中の収穫後すぐの状態ですので、限られた時期にしか食べることができません。
もちろん、北海道産のじゃがいもにも新じゃがはありますが、春のほうが流通量が多いようです。
じゃがいもが安いのはいつなのか
その年の気候などにも影響を受けますが、春が高く秋に安くなる傾向にあります。
この5年間の平均価格を見ると、秋に比べ春は6割程度高くなっています。
春には新じゃがが出回り、「旬=流通量が増えて安くなる」イメージがありますが、春はじゃがいもが1年で1番高い時期です。
よい新じゃがの見分け方
高いとわかっても新じゃがはおいしく、旬のものを食べたくなるのが人情です。
一方で、せっかく買った新じゃががおかしなものだったら、ショックは決して小さくはありません。
ここでは、新じゃがの失敗しない選び方をお話します。
(1) 緑がかっていないもの
芽や緑がかった部分にはソラニンという有毒物質が含まれています。
万が一、芽が出たり皮の色が変わってしまったら、芽はしっかり取り除き、皮を厚くむきましょう。
ソラニンは熱には強いですが、水には溶けやすいのでよく水にさらしてから料理してください。

(2) 重量感があるもの
軽いものは鮮度が落ちて、水分が抜けている可能性があります。
(3) 丸みがあるもの
表面がなめらかで、傷が少ないものを選びましょう。
でこぼこが多いものは生育不良の可能性があります。
(4) 皮が薄いもの
手で触って皮の薄さを感じるものほど良品です。
生育しすぎると皮が厚くなります。
鮮度の落ちたじゃがいもはどうなるのか
鮮度が落ちると水分が抜け、しわしわで柔らかくなります。
切ってみて白~黄色がかっていて、きれいな断面であれば食べられます。
新じゃがの保存法
新じゃがは、湿度、高温、低温にも弱いというデリケートな性質です。
新じゃがを買ってきたら、
します。
冷蔵庫では新じゃがにとって寒すぎるので、常温におくようにましょう。
それでも、新じゃがは水分が多くて傷みやすので、1週間をめどに使いきるようにしてください。
新じゃが簡単レシピ
普通のじゃがいもと違って保存性の低い新じゃがは、保存はぜずに
のもおすすめです。
1度に下準備をすませておくことで、調理時間の時短にもなります。
ここでは、下準備をすませた新じゃがのアレンジレシピを紹介します。
レシピ(1) のり塩じゃが

温めた新じゃがに、鶏がらスープの素と青のりをかけるだけです。
こうするとみなさんもよく知っているアノ「のり塩味」になります。
ちょっとジャンクな味があとをひきます。
おかずにも、おやつにも、おつまみにもおすすめです。
レシピ(2) 新じゃがのみそ炒め

食べやすい大きさに切った新じゃがをみそ、砂糖、みりんの甘みそダレで炒めます。
肉じゃがのように中まで味を染み込ませる料理ではないので、少し濃いかなと思うくらいの味つけでOKです。
みそも砂糖も焦げやすいので、弱火から中火で調理し、こまめに動かすようにしてください。
レシピ(3) 新じゃがの田舎風煮っころがし

新じゃががヒタヒタになるくらいの煮汁で煮てください。
今回は、だし汁、しょう油、砂糖、みりんと少し甘めの味付けにしました。
すでに新じゃがに火がとおっているので長く煮る必要はありません。
煮汁が沸騰して中火で5分煮たら、火を止めてほうっておきましょう。
煮物は冷めるときに味が染みこみます。
朝食や昼食の準備の時に一緒に煮ておいて、夕食の時にもう一度温めるとちょうどよく味が染みています。
じゃがいもの旬や価格、新じゃがの保存法を知って、節約しながら旬を楽しんでください。(執筆者:小原 水月)