新生活、新社会人のスタートに伴い、「クレジットカードを新たに作ろう」と思っている人は多いかもしれません。
しかし、クレジットカードを作ろうと思っても、本人確認書類がなければできません。
しかも、これまでは1種類でOKだった本人確認書類が、これからは最低2種類必要になるというのです。
この記事では、クレジットカードを申し込む際にどのような書類を用意すればいいのか、書類の準備で注意すべき点なども合わせて解説します。
目次
法律改正により本人確認書類が2種類必要に
2020年4月1日、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」が改正されます。
これに伴い、遅くとも4月1日以降にクレジットカードを申し込む際には、これまでは1種類でOKだった本人確認書類が、今後は2種類必要です。
現住所記載の本人確認書類をいくつ持っているかによって、提出する書類が次のように異なります。
→ そのうち2つでOK
・ 現住所記載の本人確認書類が1つしかない
→ 本人確認書類を1つ、領収書などの補完書類を1つ
・ 現住所記載の本人確認書類がない
→ 現住所記載のない本人確認書類を1つ、現住所記載の領収書などの補完書類を2つ
ただし、カード会社やカードの種類によって必要書類が異なりますので、詳細はカード会社に確認してください。
JCBカードの場合

一例として、JCBカードの場合を紹介しましょう。
JCBカードでは、本人確認書類を【A群】、補完書類を【B群】としていて、それぞれ対象となる書類を以下のように定めています。
【A群】
・ 運転免許証または経歴証明書
・ パスポート
・ 健康保険証
・ 住民票または印鑑登録証明書
・ マイナンバーカード
【B群】
・ 公共料金(電気・都市ガス・水道・NHK受信料)の領収書
・ 社会保険料の領収書
・ 国税・地方税の領収書または納税証明書
また、必要な書類の点数は次の通りです。
→【A群】2つでOK
・ 現住所記載の【A群】が1つしかない
→【A群】を1つ、【B群】を1つ
・ 現住所記載の【A群】がない
→ 現住所記載のない【A群】を1つ、現住所記載の【B群】を2つ
JCBカードには、次のようにさまざまな本人確認方法があります。
・ 画像データをアップロード
・ 書類の番号を入力
→ カード配達時に原本を確認
カード会社によって【A群】、【B群】の区分方法が異なりますので、こちらも要確認です。
書類別の注意点
ただし、せっかくの書類も所定の条件を満たしていないと、有効な書類として認められません。
カード会社によって基準は異なるものの大まかな基準は同じですので、ここでは主な書類を提出する際の注意点を解説しましょう。
運転免許証

運転免許証は、「氏名」、「現住所」、「生年月日」が表面に記載されている期限内のものがベストです。
表面に記載されているのが現姓・現住所でない場合には、
→ 裏面も送ればOK
・ 裏面に現姓・現住所の記載がない
→ 別の書類が必要
となるのが一般的です。
外国の運転免許証・国際免許証は認められない可能性が高いので、別の書類を用意した方よいでしょう。
パスポート

期限内のパスポートを提出する際には、写真印刷面と最終ページの住所記載面を提出するのが一般的です(住所は自分で記入)。
写真印刷面に記載されているのが旧姓の場合には、
・ パスポートは旧姓のままで、クレジットカードも旧姓で申し込む
という方法があります。
しかし、本人確認書類がもう1つ必要であり、そちらも旧姓のままとは限りませんので、全部現姓に変更した方が合理的かもしれません。

引っ越しなどで記載した住所に変更があった場合には、自分で修正できます。
ただし、修正の際には査証欄などに書かず、線を引いて消した下に現住所を書いてください。
健康保険証

運転免許証やパスポートとは異なり、顔写真のない紙製の健康保険証は本人確認書類としては少し弱いようです。
通院歴が記載されている場合には、家族分も含めて塗りつぶして構いません(コピー、画像アップロードの場合)。
カードタイプの場合には表裏両面が必要ですので、裏面に現住所を記入のうえで提出してください。

紙タイプの健康保険証で、「申込者=被保険者」であれば被保険者の記載欄を提出します。
被扶養者がクレジットカードの本人確認書類に紙タイプの健康保険証を使用する場合は、自分の氏名記載欄以外に被保険者の記載欄も提出してください。
住民票

住民票は、発行日より6か月以内が有効期限としているカード会社が多いようです。
「住民票の写し」としているカード会社が多いですが、これは「役所から発行された書類そのもの」のことで、それを自分でコピーしたものではありません。
ただし、住民票コード(住民基本台帳に記録されている人に対して無作為に抽出した11桁の数字)が記載されている住民票は使えませんので、注意してください。
マイナンバーカード

マイナンバーカード(個人番号カード)は、
・ 顔写真、氏名、住所、生年月日入り
・ 無料で発行可能
・ 誰でも発行可能
などのメリットがあり、パスポートや運転免許証よりも手軽で信頼性もある本人確認書類です。
本人確認書類として使用する場合には、表面だけをコピー、アップロードしてください。
12桁の個人番号が記載されている裏面は、提出不要です。

ちなみに、紙製の「個人番号通知カード」には本人確認書類としての効力がありませんので、間違えないようにしてください。
公共料金の領収書

ここでいう公共料金は、電気・都市ガス・水道・NHK受信料を指すことが多いようです。
固定電話の領収書はカード会社によって判断が異なりますが、
・ インターネットプロバイダー
・ プロパンガス
などの領収書は認められません。
他の書類とは異なり、公共料金の領収書のみ家族名義でもOKです。
ただし、あまりに古いと信用力が落ちますので、現住所記載で発行から6か月以内のものを提出するとよいでしょう。
学生証

学生がクレジットカードを申し込む際には、学生証が必要となることが多いと言えます。
お得な特典がいっぱいの学生専用カードの場合には「マスト」と言ってもよいでしょう。
学生証を提出する際には、
・ 顔写真
・ 学校名
・ 学長印
・ 有効期限
が記載されているかを確認しましょう。
書類の準備を万端に整えてから、クレジットカードを申し込む
2020年4月1日からの法改正に伴って、新規にクレジットカードを申し込む際には、本人確認書類が2種類必要です。
カード会社によって有効な書類は異なりますが、最も確実なのは運転免許証です。
運転免許証がない方は、マイナンバーカードや健康保険証も候補ですが、どれを提出するにせよ現住所が記載されていなければなりません。
現住所がないと、公共料金の領収書などの補完書類(現住所が記載)も合わせて提出する必要があります。
いずれにせよ、書類の準備をしっかりと整えてからクレジットカードを申し込んでください。(執筆者:角野 達仁)