玉田若菜さん(仮名・33歳)は、3年前に長男を出産した後は職場復帰をしたのですが、昨年、長女が生まれて、育児との両立が大変になり、退職しました。
共働きだったこれまでは、特に意識をしなくても毎月10万円程度は貯蓄ができていましたが、今は、全く貯蓄ができなくなってしまいました。
それどころから、赤字を補填するために貯蓄を取り崩さなければならないこともあります。
どのように家計を見直せば良いのでしょうかというご相談に来られました。

目次
現在の家計状況
3歳と0歳の子供がいます。
若菜さんの以前の手取り年収は240万円だったそうですので、家計の収入は大きく減りました。
以前は、意識をしなくても毎月10万円程度は貯蓄ができたということですので、当時の貯蓄率は20%ということになります。
今後のライフプラン
今後のライフプランについて伺うと、
・ 家は、5年後くらいに買いたい。希望は3,000万円程度。頭金を2割(600万円)くらい貯めたい。
・ 若菜さんは少し落ち着いたら仕事に復帰したいけれど、パートを希望している。
ということです。
これらを考慮して、今後、実行していかなければならない必要貯蓄率は、約23%になります(計算に将来の若菜さんのパート収入は入れていませんので、加算するともう少し貯蓄率は下がるでしょう)。
しかしながら、手取り360万円の23%は82万8,000円ですので、毎月6万9,000円の貯蓄が必要となります。
さて、どのように考えれば良いのでしょうか。
家計の立て直しのポイント
気をつけたいポイントをあげていきます。
1. 生活費を赤字にしない
まず、守っていただきたいのは、生活費を赤字にしないということです。
今、貯蓄がきでないとしても、生活費は30万円以内に納めて、貯蓄から取り崩さないようにしましょう。
詳しくは後ほど述べます。
2. 児童手当を全額貯蓄へ
2つめに、児童手当を全額貯蓄に回しましょう。
児童手当は、3歳未満は1万5,000円、3歳以上小学校修了前は1万円(第3子以降は1万5,000円)、中学生は1万円です。
受給できる中学3年生までの15年間、全部貯めれば、1人目2人目は、約198万円(3月生まれ)~209万円(4月生まれ)になります。(所得制限限度額あり)
若菜さんのご家庭は、当面、年間30万円の貯蓄ができます。

支出の内訳を確認しましょう
1つめのポイント、赤字にしないためにどうすればよいかを考えていきましょう。
なぜ赤字になるのかといえば、支出が収入を上まわっているためです。
まずは、その原因を見つけることが必要です。
支出の内訳をみてみましょう。
家賃、食費、水道光熱費、通信費、保険料など、毎月の金額がほぼ変わらないものの支出額は、24万5,000円です。
夫の小遣い、娯楽交際費、雑費消耗品費などが9万円で合計33万5,000円です。
毎月使って良いのは30万円までですので、支出を抑える必要があります。
そのためには、まず、共働きのときと変わらない意識でお金を使っていないか考えてみましょう。
若菜さんは、外食こそ減ったものの、デパ地下でお惣菜を買ったりはしていると言います。
今は、特に予算を設けていない食費も予算立てをする方がいいです。
固定費の削減も大切
次に、小さな節約はストレスがたまる割に効果は薄いので、固定費を削減することを考えます。
目についたのは、保険料2万3,000円と通信費の2万円です。
保険は、
必要のない特約を外す
死亡保障の保険金額が適正か見直すなど
しましょう。
通信費も格安SIMなどに変えるなどして抑えましょう。
新たに予算を立ててみましょう
これらをふまえて、予算立てをしてみました。
家賃13万円、水道光熱費2万円食費5万円はこれまでと変わりません。
通信費を6,000円に、保険料は5,000円に減らすと合計21万1,000円になりました。
3万4,000円の支出削減です。
何気なく使っている雑費などを減らし、結局4万5,000円の節約ができました。
赤字が解消した上に、毎月1万円貯蓄ができるようになるでしょう。
必要貯蓄額(82万8,000円)に40万8,000円足りませんが、しばらくはよしとしましょう。
若菜さんがパートに出られるようになれば、貯蓄できる額も増えるでしょう。
貯蓄が難しい時期は無理せず、赤字にならないことを心がけましょう。(執筆者:岩城 みずほ)