国民の健康や子育て支援のために、都道府県や市区町村は、各種助成事業を実施しています。
うまく活用すれば、家計にとって非常にプラスになりますが、よく知られていないものも多いのが現状です。
今回の記事では東京都を例にとり、知っておくと便利な助成費についてご紹介します。
目次
妊娠前から産後にもらえる助成金

出産に際して、国から下記のような助成金がもらえる事はよく知られていますが、
・ 出産手当金
・ 育児休業給付金
ほかにも、妊娠前や妊娠中には、さまざまな助成金が用意されています。
妊娠前には、
・ 不育症検査助成
などがあり、不妊検査や不妊治療にかかる費用の一部を請求することができます。
不妊治療に関しては東京都からの助成金に加えて、区町村独自の助成事業を行っている自治体も多くあります。
申請には医療機関からの証明書などを必要とし、検査開始日から1年以内の申請が必要なので注意が必要です。
妊娠中に関しては妊婦検診費助成のほか、
・ 糖尿病
・ 貧血
・ 産科出血
・ 心疾患
など、妊娠に関連した入院医療を必要とする疾病についての助成も行われています。
こちらについては、原則入院前または入院中の申請が必要となり、遅れた場合は助成を受けられなくなってしまいます。
これらの助成について病院で教えてもらえるとは限らないうえに、入院のバタバタで余裕がなくなってしまう事もあるので、事前に調べておくと安心です。
子育て助成は種類が豊富

子育てに関する助成は、2019年に始まった幼児教育・保育無償化以外にも、多数実施されています。
全国一律で受けられる児童手当は中学校卒業までの間月額1万~1万5,000円の支給があり、ひとり親世帯ではさらに児童扶養手当を受ける事ができます。
また、中学3年生までは子供医療費助成が受けられ、無料で診察を受ける事ができます。
北区や千代田区では、さらに3年間医療補助が延長され、高校3年生まで医療費が無料となっています。
その他の助成事業は市区町村独自のものが多く、例えば、
・ 新宿区では賃貸住宅の家賃助成(月額3万円×5年間)
・ 中央区では申請時誕生祝品(買い物券3万円分)や出産支援祝い品(タクシー利用券1万円分)の支給
・ 港区ではコミュニティバスの利用無料
・ 千代田区では次世代育成手当(16~18歳の子供1人につき月額5,000円支給)
など、多種多様な助成が用意されています。
補助内容が多岐にわたるため、育児補助の充実度によって住む場所を決める世帯もよくみられます。
せっかく使える助成を無駄にしないように、自治体の情報サイトや役所での相談窓口をうまく使って情報収集することが大切です。
感染症や大気汚染による疾患への助成も

子育て関連以外にも、障害や特定疾患に関する助成制度も多数用意されています。
最近話題の感染症医療費助成制度では、新型インフルエンザや新型コロナウイルスを含む特定の感染症を罹患した患者に対して、入院勧告・措置を受けて入院した期間中の医療に要する費用が公費で賄われます。
その他にも、
・ 風疹抗体検査およびワクチン接種が無料になる助成
・ B型・C型ウイルス肝炎医療費助成
・ 大気汚染医療費助成
などさまざまな助成制度があります。
例えば大気汚染医療費助成は、大気汚染の影響を受けると推定される疾病(気管支喘息など)にかかった18歳未満の方に対して、医療費の助成が行われるというものです。
多様な助成制度があるにも関わらず、なかには意外と知られていないものもあるかもしれません。
何かの病気にかかった時や健康に不安がある時には自治体の助成制度を確認してみると、思いのほか医療費の負担が少なくなるかもしれません。
豊富な助成金の情報収集をするために

このように国や都道府県、市区町村では多くの助成制度が用意されていますが、その全貌を知る機会はなかなかありません。
情報収集には、
・ 相談窓口への問い合わせ
・ 役所にある案内を入手する
などの方法が考えられます。
特に子供が増えるとき、病院にかかるとき、引越をするときなど何か特別な事態の時には、受けられる助成があるかどうか調べてみるクセを付ける事をオススメします。
情報収集して「もらい損ね」を防ぐ
今回ご紹介した以外にも、引越しや家賃補助の制度など、生活に関わるさまざまな助成制度が実施されています。
自治体の方からお知らせしてもらえることはそう多くないので、自ら調べて活用できるよう常にアンテナを張っておく事が重要です。
「もらい損ね」を防いで、助成金を家計のサポート金として使うことで、いままでよりも生活がラクになったり貯金しやすくなったりするかもしれません。(執筆者:島村 妃奈)