今回は、上場市場変更銘柄に着目したトレードについて解説していきたいと思います。

目次
市場変更銘柄とは
市場変更銘柄とは、マザーズから東証一部など優良市場に鞍替えした銘柄のことを言います。
鞍替えすることでその銘柄の流動性や安定性・注目度が一気に引き上げられますので、株価の値上がりを期待することができるのです。
この市場変更の発表は東証のホームページで確認できます。
市場変更によるメリット
流動性が向上する
マザーズやJASDAQなどの新興市場は、業績の不安定さや市場で売買されている株数が少ないという点で流動性が乏しいので、何かしらの材料によりマネーゲーム的な激しい値動きをする可能性があります。
今回のように優先市場に鞍替えできたということは、この不確実性を規定水準までクリアできたという証明となるのです。
ファンドによる資金導入が見込める
投資信託を運用するファンドや機関投資家などの大口投資家の場合、流動性や不確実性が高い銘柄への投資頻度は、優先市場と比べ極端に低下します。
東証一部に鞍替えすることで大口投資家の資金流入が見込めるので中長期的な値上がりが期待できる可能性があります。
鞍替え銘柄に投資する際の注意点

鞍替え発表前に下落している銘柄に投資
市場変更が発表されると株価は短期的に大きく上昇します。
そのため、デイトレードや短期・中期的に利益を狙う場合は直前まで下落していた銘柄を選別した方が当然勝率も高くなるのです。
その際は、板の気配値より売買がどこで頭打ちになるのかを慎重に見極めるようにしましょう。
例えば、串カツ田中(3547)は2019年6月10日(終値1,982円)にマザーズから東証1部への市場変更を発表しており、5月8日の高値3,170円から大きく下落していました。
翌日の寄り付き前の板気配は買い優勢でしたが、寄付きは前日比2.97%高の2,041円からスタートとそこまで上昇しておらず、その後は2,280円まで上昇したのです。
デイトレードを狙う際はネット証券で行う
市場変更は好材料であるため、寄付き時に大きく「窓」を開けてしまう場合があります。
その際、対面証券で売買してしまうと売買手数料が邪魔をし、売りそこなう可能性が非常に高くなってしまうのです。
その日の需給次第ではそれでも利益が抜ける可能性がりますが、デイトレードをする場合は必ずネット証券で売買するようにしましょう。
短期的に利益を出す
以上より、市場変更銘柄に投資するのは短期的に利益を出す有効な手段であり、デイトレードをメインにしている投資家にとっては絶好の好機です。
しかし、好材料であるがゆえに大きく窓を開けて上昇するケースも多々あります。
その投資タイミングは板の気配を慎重に見極め投資すべきかどうか慎重に見極めるようにしましょう。(執筆者:白鳥 翔一)