2月・3月は新型コロナウイルスによる企業業績悪化の懸念や原油価格の大幅な下落により、国内外の相場は大きく荒れました。
株価が下がった時がチャンスだということで、2月や3月に勢いで株式や投資信託を購入された方もいらっしゃるでしょう。
大幅な下落の際には勢いも必要ですが、1度は立ち止まることも必要です。
今後、多くの企業の決算発表され、経済指標も公表されます。
相場の予測が気になるところではあると思いますが、それよりもっと大切なことがあります。
今この段階で、立ち止まって確認しておくべきことをお伝えします。
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目次
何年後まで持ち続けることができるのか「長期戦にどこまで耐えられるか」
ビジネスやスポーツなどの戦略を語る時に登場する言葉ですが、投資においても同じことが言えます。
今後の日経平均株価や個別銘柄の予測をすることも大切ですが、この機会に自分の資産状況の確認をしておきましょう。
株価の値動きの前にいわゆる自滅だけは避けたいところです。
具体的には、
の確認です。
投資は余剰資金で行うのが基本ですが、
ということです。
100年に1度の危機と言われたリーマンショックの時にも、今と同じように経済環境や相場は「この世は終わり」のような悲観一色でした。
しかし、大暴落した株価などは約5年で元の水準に戻っています。
今回の大暴落でも全ての銘柄とまでは言いませんが、将来、元の水準またはそれに近い水準に戻っていく可能性は十二分にあるでしょう。
もしくは配当や分配金は、今後、減配になっても一部分の損失を補填する役割を果たすでしょう。
ところが、その元の水準に近いところまで戻っていくタイミングまでなど、一定期間保有銘柄を持ち続けることができないのであれば、そのゲームは負ける確率が高くなるのです。
今後のライフプランを考慮した余力資金はあるのか「次の一手を打つことができる状況か」
次に、各企業の決算発表、経済指標の公表やコロナウイルスの終息が長引くなど、今よりも大きく下落した際の追加購入の有無に関係なく、
も確認しておきましょう。
自分の余力資金の確認です。
となると、今後の収入減を考慮したうえで、今後5年間ほどのライフプランを考えておく必要があります。
自分や家族のライフプランが崩れると、そもそもそのゲームを続けることはできなくなります。
そして、追加購入できる資金がある場合であっても、最も避けたいのは闇雲にナンピン買いを行い、手元のキャッシュがなくなってしまうことです。
相場の底値は後から分かることはあっても、その時点で明確に分かることは皆無に近いからです。
追加購入できる資金がある際には、
ことが肝要です。
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投資を継続できる環境を作っておく
大切なことは「投資を続けられる環境を自ら作っておくこと」です。
波乱相場の中で最後まで生き残ることで、今はたとえ含み損が多くても、将来に収益といった果実を得ることになります。
特に波乱相場の時は、自分との戦いの時期であるとも言えます。
大きな変動により冷静さを失うことや投資資金の枯渇は避けたいところです。
値動きに一喜一憂しやすい環境の中で相場と戦わざるを得ない状況ではありますが、これらのことも頭の中に入れておきましょう。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)