入院したら〇万円、死亡したら〇万円、というような保障内容以外にも、実は生命保険には多彩な機能が存在します。
あまりなじみはないと思いますが、払済保険もその1つです。
目次
払済保険とは

支払った保険料が解約返戻金や満期保険金という形でたまっていく商品、というのがあります。
一般的には支払いが困難になった場合に、もとの保険を払済保険に変更することで以後の支払いが必要なくなり、保障金額が下げられてしまうかわりに保障を続けることができる優れた機能です。
この時、付加されている特約が消滅してしまうことも一般にあまり知られていないので、注意が必要です。
その後、放置しているだけで、所定の利率で既にたまっている解約返戻金は増え続けていくので、支払いが難しい場合には、解約より先に検討すべきです。
保険に詳しくない方は支払いができないと真っ先に解約してしまう傾向にあるので、大変もったいないです。
知っているか知っていないかの差だけですが、結果は大きく違いが出るところですので、大変重要です。
解約してしまうと保障はなくなり、支払った保険料も元本割れして戻ってくるだけですので、デメリットばかりです。
払済保険の隠された活用方法
支払った保険料に対し、解約返戻金や満期保険金がたまっていく商品を払済保険に変更すると、契約当時の決まっている解約返戻率がアップする商品やケースが存在します。
これを多用し、過去に払済保険に変更する前提で顧客に説明、販売した営業マンが多発した影響で、払済保険に変更前提の契約を禁止する保険会社も現れたほどです。
払済保険の注意点

付加されている特約が消滅してしまうことは先ほどお伝えさせていただきましたが、注意点としては、以下のとおりです。
・ すべての商品が払済変更で返戻率がアップするわけではない
・ 支払いをストップするので積み立てる金額総額はもとの契約内容より少なくなる
・ 法人契約では洗い替え処理が必要な場合もある
払済保険の復旧
1度、もとの契約を払済保険に変更した場合には原則もとに戻すことができません。
しかし、一定期間内であれば変更前の契約に戻せる場合もあります。
復旧する場合には、診査や告知、復旧部分の積立金の不足額の払い込みが必要です。
保険会社によっては利息の支払いが必要なケースも存在します。
以上、貯蓄型保険の場合には知っておきたい払済保険のお話でした。
活用される際の参考になれば幸いです。(執筆者:永島 隆)