空前のペットブームが続いています。
ペットショップには、人気の品種から希少な珍しい品種までたくさんの種類の動物たちが販売されています。
なかには数十万円するような高価格帯で販売されているようなケースも少なくありません。
そのため、購入するにはまとまった資金が必要となり、
と躊躇している人もいることでしょう。
そのようなときに活用できるのが「ペットローン」です。
しかし、「ペットローン」にはデメリットもあるため、よく考えずに安易にローンを組むのは要注意です。
そこで、今回は「ペットローン」の仕組みや利用時の注意点を詳しく解説します。
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目次
そもそも「ペットローン」とは
近年のペットブームを背景に猫や犬の販売価格はひと昔前と比較すると上昇傾向にあると言われています。
例えば、純血種や希少な品種のなかには30万円~、高いものであれば50万円近い値で販売されているケースも珍しくありません。
一括購入するとなるとなかなか高いハードルです。
そこで資金面がネックとなっている際に検討したいのが、「ペットローン」です。
「ペットローン」とは、その名の通り、イヌやネコなどのペットを購入するにあたり、その費用を分割して支払えるローン制度です。
まとまった資金が手元にない場合でも月々1~2万円程度の返済でよいため、安心してペット購入に踏み切れます。
近年は信販会社と提携しているペットショップも増加してきているため、ペットローンは身近な存在となりつつあると言ってよいでしょう。
また、ペット購入費用だけではなく、治療費や飼育費用、トリミングなどにまで利用できる充実した内容のペットローンも多数出てきています。
しかし、ペットローンには知っておきたい注意点もいくつか存在します。
以降でそのポイントを確認してみましょう。
【注意点1】「ペットローン」は借入先によってメリット・デメリットが違う
「ペットローン」を組める先は、現時点で大きく分けると主に次の3種類に分類されます。
1. ペットショップが提携している信販会社
ペットショップが店頭で扱っている「ペットローン」は、手続きがその場で完結できるので、手間や時間がかからない点が魅力です。
なかには無金利で組めるローンを案内しているペットショップもあるようです。
「無金利」と聞くとお得感があるように感じることでしょう。
しかし、通常信託会社に支払うべき利息をペットショップが肩代わりしてくれることになるため、利息分を抑えるために返済期間が短めに設定されていることがほとんどです。
よって、高額なペットの場合には、毎月の負担額が高くなってしまうこともあるので注意しなければなりません。
2. 銀行などの金融機関
一方、銀行が扱うペットローンは、返済期間を長めに設定することが可能です。
銀行によっては、返済期間を10年に設定するできるところもあります。
そのため、毎月の返済額をできるだけ抑えたいという人にはおすすめです。
しかし、返済期間を長くしてしまうとその分支払わなければならない利息の総額が高くなってしまう点には注意が必要です。
銀行等のペットローンは金利も低めに設定されていることが多いのですが、審査はやや厳しめです。
収入や他社借り入れ状況、信用情報等、いろいろな観点から申し込み可能かのチェックが行われるため、家賃の滞納や携帯電話の支払い忘れ等の経験がある人は要注意です。
さらに、詳細な審査を行うことから、時間を要してしまうのもデメリットの1つです。
最短であれば2日程度ですが1週間程度かかることも少なくないため、ペットショップにもその旨をしっかりと伝えて対応可能かどうかの確認をしましょう。
3. フリーローンやカードローン
大手の消費者金融業者が扱うカードローンであれば、即日で融資を受けることが可能です。
一期一会のペットとの出会いを逃すことなく購入手続きへと進めることができます。
また、使途が限定されているものではないため、購入費用以外のものにも充当できるのも魅力です。
一方で注意しなければならない点は金利です。
銀行系のカードローンであれば比較的低金利ですが、消費者金融系の商品は金利が高めに設定されています。
参考までに、人気の高いペットローン2社の2020年2月末時点の金利は次の通りです。
金利3.8~8.8%(年)、借入金額10~700万円
・ スルガ銀行:
金利2.5~7.5%(年)、借入金額 ~800万円まで
(※適用金利は資金の使途、審査等によって決定します。)
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消費者金融系のカードローンは、約3~18%あたりで上記2社と比較すると高めであることが分かります。
銀行の審査より通りやすいのですが、金利面には十分な注意が必要です。
【注意点2】延滞した際には遅延損害金が発生する
ローン会社にもよりますが、返済期日に遅れてしまった場合には、遅延損害金と呼ばれる利息を支払わなければならないケースもあります。
たとえば、イオン銀行の場合であれば、返済予定日の翌日から日割りで計算し、元本に対して年14.6%の遅延損害金が必要となるとされています。
これは決して安い金利ではないため、返済期日には遅れてしまわないようにしておきたいところです。
【注意点3】延滞し続けた場合にはブラックリスト入り
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ペットローンを利用していて、万が一、支払いができなくなった場合にはどうなるのでしょうか。
ローンを組んでいる先にもよりますが、大抵の場合はローン会社から電話やはがきで督促が来ます。
それにも応じずに一定期間放置してしまうと、通常のローンと同様ブラックリストにのり、信用情報に傷がついてしまうことになります。
そうなると、新たにローンを組めなかったり融資を受けられなかったりするほか、クレジットカードも新規には作れません。
通常であればこのような期間が最低でも5年継続されますが、銀行でペットローンを組んだ場合にはこの期間が長引いてしまう場合もあります。
さらに、延滞を2か月以上続けてしまうと、
こともあります。
このような事態を防ぐためにも、飼育に必要となるさまざまな費用もしっかり加味したうえで計画的な返済が可能かを判断する必要があるでしょう。
ペット購入もペットローンも慎重に
手元にまとまった資金がなくてもペットローンを活用すればペットを購入できます。
しかし、ペットローンもお金を借りるといういわゆる「借金」の1つです。
紹介したようにいくつかのリスクも存在するため、メリットだけではなくその点にもきちんと目を向けなければなりません。
安易にローンを組むのではなく、細かな部分までしっかりと考慮したうえで慎重に検討することが求められます。(執筆者:吉村 みき子)