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「がん保険加入済」で安心するのは危険

がん検診などで要精密検査の指摘を受けて、精密検査の結果もしもがんが見つかっても「がん保険に入っているから大丈夫」と思う人が多いかもしれません。
「がん保険には昔から入っていて、長い間保険料も払ってきているから」と安心してはいけません。
その、「昔から」が危険なのです。
日本初のがん保険が発売されたのは1974年のことで、今から46年前です。
1980年代には「がん」が日本人の死因第1位となり、1990年代に医療費の増加に伴い健康保険の本人負担が2割になりました。
そして、2000年代にはそれが3割負担になったのです。
このような社会環境の変化や時代のニーズに合わせて、がん保障も進化してきました。
今ではがんの治療方法の選択肢も増え、自分に合った治療を受けることによって「がん=死」というイメージがうすれつつあります。
加入している「がん保険」をチェックしよう
治療方法を選べたとしても、昔から入っているがん保険ではその治療費に対応できないものもあるのです。
誤解を恐れずに極端な言い方をすると、「昔のがん保険は役に立たない」かもしれないということです。
アフラックの「がん保険」保有件数は、2018年時点で1,539万件あり、その内2019年時点の527万件がいわゆる「古いがん保険」すなわち「使えないかもしれないがん保険」なのです。
その「古いがん保険」といわれる
・ 新がん保険
・ スーパーがん保険
に入っている人がもしもがんになってしまったら、「保険料が支払われない」という状況が起こり得るということです。
がん保険の保障内容に驚いたの筆者の体験

ある日、親が早期の胃がんと診断されました。
かかりつけ医から大学病院を紹介され、予約の日に仕事を休み親の受診に付き添いました。
その日に手術予定日が決まり、それまでに検査のための通院をするように言われ、1か月の間に3回通院をしました。
当然ながら付き添いの私も仕事を休み、自宅から車で片道1時間の距離にある病院へと通いました。
その後、親は手術のために10日間入院をしましたが、加入していたがん保険から受け取れたのは少しの診断一時金と入院給付金だけでした。
何に驚いたかというと、入院前後にかかった通院費用が保険から出なかったということです。
親の
のです。
ところが、今のがん治療は、短期入院で通院治療というスタイルがほとんどなのです。
保険料をムダに払わないように保障内容を確認

保険はいざというときのものです。
必要な時に役に立たないようでは意味がありません。
私のように後悔しないように、せめて「いま加入しているがん保険が使えるかどうか」のチェックだけでもしてみてください。
場合によっては、見直しが必要になるかもしれません。
「せっかく長い間掛けてきているのだから見直しはもったいない」とおっしゃる人もいますが、「いざという時に使えない」ものに高い保険料を払い続けるほうがもったいないのではないでしょうか。
続けるかどうかを自分の目で確かめてから決めても遅くはありません。(執筆者:若林 由美)