筆者の夫はFXのみで収入を得ている、いわゆる「FX専業トレーダー」です。
専業って、実際のところどうなんだろうと思う方もいらっしゃるのでないでしょうか。
今日は夫に、これまでの経緯や専業のメリットデメリットなどを率直に聞いていきたいと思います。
FX歴:9年(2012年から専業)
家族構成: 妻、子ども2人

目次
サラリーマンを辞めた理由
筆者:会社を辞めてもう8年になるんだよね。あらためて聞きたいんだけど、サラリーマンを辞めた理由って?
夫:仕事を辞めた理由は、会社の人間関係とか、いろいろもめたから。それで自分ひとりでできる仕事があればいいなと思って。FXは、会社を辞める前からやってたからね。
筆者:実際のところ、辞める時、勝算はあったの? 専業トレーダーでやっていけると思ってた?
夫:勝算はなかった。
筆者:そうだったんだ…。あの頃は私も仕事してなかったのに、今考えるとよく思い切ったよね。
実際に専業になってみて感じた事
筆者:最初の頃は、順調にトレードしてたよね。その後だんだん雲行きが怪しくなってたけど、1番苦しかったことは何?
夫:1番苦しかった事は、元本割れ始めた時。初期はボツボツうまくいって、投資額が増えてたんだけど、その後、負けが混んで全然勝てなくなって、元本割れ始めた頃が1番厳しかった。
最初勝ってたから、これでいけると思っていたのに、もうどうしようって。
これが兼業なら他に収入があるから違うんだろうけど。専業になっちゃってるから逃げ場がない。
筆者:胃を悪くしてたよね。会社勤めとは違うストレスがあった。
夫:そう。でも、逆にいうと、自分が兼業だったら成功してなかったと思う。必死さが違うから。
筆者:じゃ、うまく行き始めたポイントは?
夫:正直、運やタイミング。タイミングが良かったのとチャンスを逃さなかったっていうのかな。
筆者:え、タイミング?
夫:うん。だいたい、億トレーダーになった人の記事を読んでても、いいタイミングがきた時にしっかりポジションとって、チャンスをつかんでいる感じがする。
その時にいかにチャンスをつかめるかっていうのが大事。
一時期、スキャルピングがすごくハマってうまくいく時期があったんだよね。
市場のボラティリティーが高くて、証券会社の設定もスプレッドが固定されていた時期があって。
筆者:スキャルピングっていうと、数秒とか数分の取引を何回も繰り返して、利益を確保していく手法だよね。ボラティリティーって何?
夫:価格変動率のことだよ。簡単に言うと、値動きの幅ということかな。
ボラティリティが高いほど、値動きの幅が大きく、利益も取りやすいけどリスクも高くなる。
筆者:スプレッドは、売値と買値の価格の差だよね。そんなに違いがあるんだ。
夫:そう。各証券会社で多少違いがあるけど、今は、スプレッドがすぐ開くことが多いね。よっぽど上手い人じゃないと正直、難しいと思う。
筆者:それで、タイミングや運ってことなんだ。じゃさっき言ってた、必死さっていうのはどう関係するの?
夫:そのタイミングをつかもうとする必死さかな。
筆者:なるほど。その後、失敗しないように心がけていることは何かある?
夫:時々YouTubeで、他の人があげている、FXのリアルな失敗動画を見てる。むちゃな取引をしないように、戒めとしてね。
筆者:確かに、あれ見ると気が引き締まるよね。

専業トレーダーのメリットデメリット
筆者:専業トレーダーについて、自分が考えるメリットデメリットは?
夫:人と接するのが苦手な人にはいいよね。誰にも会わずに仕事できる。
筆者:それは人によるよね。みんなでやりたい人には向かない。
夫:まあね。あと、極端な話 、今回の自粛ムードの時は家から出ないでいい。
デメリットは、一言でいうと孤独だよね。
投資家のコミュニティに入っている人もいるけれど、基本、孤独な闘い。
ひとりでするしかないし、全部自分の責任。そういうストレスはたまるよね。
筆者:日常生活でのメリットデメリットはある? 生活が不規則になるとか。
夫:時間はその人によって、トレードする時間帯が違ってくるからなんともいえないけど。日中に主にやる人もいるし。
でもニューヨーク時間に動くことが多いから、どうしても夜見てしまうかな。
まあ、予定は融通が利くよね。土日は必ず休みだし。
筆者:そこは、確かに助かってる部分だね。
メリットデメリット
【メリット】
・ 人間関係のわずらわしさがない
・ 出勤しなくてよい
・ 時間の融通が利く
【デメリット】
・ 孤独である
・ 収入が不安定
・ 生活が不規則になる場合がある
専業を目指している人にメッセージ

筆者:専業を目指している人に贈るメッセージを。
夫:もし仕事を持っているなら、兼業がオススメ。
仕事を持っていたら、わざわざ専業にならないでいいと思う。やっぱり、他に収入があるのは大きい。
だからすぐに専業にならず、まずは兼業でやって、いろんな相場とかを経験した方がいいと思う。
家族がいるなら、家族の理解もいるしね。
筆者:それは本当にそう思う。うまくいかないときは、見てる家族も辛いからね。
家族の理解があるところは、わかってほしいかも。
余裕資金でトライしましょう
トレーダーの方は、みなさんそれぞれ事情が違いますので、夫の話は一例として聞いていただきたいです。
現在、わが家はスワップ取引が主ですが、スワップ金利は一時期より下がっていますし、通貨価値自体も下がってきており、ただ持ち続けるだけではリスクが伴います。
今後、FXに挑戦したいと考えている方は、必ず余裕資金ですることをお勧めします。(執筆者:桐谷 春音)