自己都合で退職した場合には、失業保険を「すぐにはもらえない」と思っている方が多いのではないでしょうか。
実は、私もそう思っていました。
いざという時の失業保険なのですが、働いている時には失業保険の内容がどのようなものなのかを知りませんでした。
会社を辞める時に事情を聞いたハローワークの方が
と親切に教えてくれました。
その際に教えていただいた例や、すぐにもらえる条件を紹介します。

目次
失業保険とは
失業保険とは「失業給付」のことで失業している人を国が次の就職までの数か月間バックアップしてくれる制度です。
・ 仕事をできる状態にある人
・ 無職状態であると保証できた人
のみが受けられる制度です。
前の会社で雇用保険に加入していなければ、失業保険をもらうことはできません。
失業給付金は、雇用保険の被保険者であった期間と離職した理由によって決められます。
通常は3か月間の待期期間を経て受給できます。
失業保険の支給日数が1/3以上残った状態で、その間に再就職できれば「再就職手当」を受け取ることができます。
ブラックな会社では、会社都合の退職も自己都合で提出するようにと言い渡される場合もあるようですが、そのような手には乗ってはいけません。
待機しなければならない3か月は長いものです。
履歴書に記載する際にも「会社都合」と「自己都合」の退職では、印象がだいぶ変わってきます。

失業理由によってはすぐにもらえる
自己都合による退職でも以下にあたる場合には、すぐに受給できます。
しかし、証拠や証言する人など実際に起こった事実を証明できなければ残念ながら該当しません。
特定受給資格者(会社都合による退職)
・ 倒産、規模縮小などにより辞めなくてはならなくなった場合
・ 解雇による場合(自分に重大な責任がある場合を除く)
・ 退職するように勧奨を受けて離職に至った場合
・ 求人内容と労働条件が違ったために辞めた場合
・ 給料が一定額以上低下したために退職した場合
・ 継続して2か月以上給料の支払いがなかった場合
・ 妊娠中、出産直後に働くことを強要された場合
・ パワハラ、セクハラによる退職
・ 妊娠しているにも関わらず雇用管理上の必要な措置を受けることができなかった場合
・ 働き続けられるような適切な職種転換を会社側がしなかった場合
・ 辞める直前3か月間、月45時間以上残業をしている場合
・ 上司、同僚から著しい嫌がらせを受けたため退職した場合
特定理由資格者(正当な理由による退職)
・ 親の死亡、家庭の事情で離職を余儀なくされた場合
・ 妊娠、出産、育児等により離職し、受給期間延長措置を受けた場合
・ 配偶者、または扶養親族と別居生活を続けることが困難になった場合の離職
証拠や証言する人の確保
月に45時間の残業などは、繁忙期を含めると割とあるものかもしれません。
この状況をハローワークの職員に話すだけでは、すぐには受給できません。
その証拠や証人が必要です。
残業の記録を残しておくことはもちろん、その事実の証拠になり得る物的証拠を集めておく必要があります。
辞めた後でも可能ですが、会社側は不備をハローワークに提示するのは拒みます。
仕事で出入りしている期間中のほうが情報や証拠を集めやすいと言えます。
セクハラやパワハラなどの場合には、メールや音声を残しておく、複数の同僚に証人になってもらうなどの手段があります。
この際に証人は複数いなければ証拠にはなりません。
もちろん、協力してくれる方々には、迷惑がかからないようになっています。
自己都合退職でもあきらめないで
「もう辞めたい」と思うことは誰にでもあることだと思います。
もし、失業保険をもらう立場になるなら、3か月を待たずに失業保険をもらいながら転職先を探すほうが生活は安定します。
ブラック企業が増えていますが、証拠や証人をきちんと集めておけば自己退職後にすぐに失業保険をもらうことができるかもしれません。
離職する前に最寄りのハローワークに勤務状況などを相談して、物的証拠を集めてから退職したほうが賢明かもしれません。
失業保険をすぐにもらえる条件は、
・ 前の会社で雇用保険に加入している
・ 再就職できる状況にある
・ 退職内容により証拠や証人、診断書など証拠を残しておく
ことです。(執筆者:咲舞 さくら)