マンションを購入する前に必ずチェックしておきたいのが管理状態です。
管理状態が良いマンションであれば、将来的にも資産価値を保てますが、管理状態が悪いとドンドン資産価値は下がってしまいます。
外観など見た目の良いマンションであれば管理状態も良いと思われるかもしれませんが、本当にチェックするべき点はそれだけではありません。
マンションの管理状態を把握する3つのチェックポイントについてお話します。
目次
1. 「自主管理」or「管理会社」

マンションには管理組合が必ずあり、建物の管理は管理組合が主導で行います。
管理業務は、大きく分けると下記の2つあります。
2. 日常の清掃やエレベーターのメンテナンス業務、長期修繕計画に基づいた大規模修繕工事などの手配といった建物管理業務
です。
この管理業務を、
・建物管理会社にすべて委託する場合 … 全部委託管理
・一部だけ委託する場合 … 一部委託管理
と言います。
自主管理でもきちんと管理業務を行っている管理組合も多いですが、高齢化が進むなど機能していない管理組合も多いです。
そのため、建物管理については、全部委託管理のマンションを選ぶ方が良いと思います。
全部委託管理の場合であれば、管理費・修繕積立金の滞納も少なく、日常清掃などの手配や長期修繕計画の策定も手掛けていることが多いからです。
そして、将来的に資産価値を維持していくための提案をしてくれます。
しかし、なかには、管理組合が機能不全に陥ってから建物管理を委託しているケースもあります。
そういったマンションは、修繕積立金が貯まっておらず、全部委託管理でも管理状態の改善が難しく、運営がうまくいっていないこともあります。
そのため、特に築年数の古い物件は、最初から全部委託管理であったかどうかなど、建物管理がどのように行われてきたか確認をする必要があります。
2. 共用部分の状態をチェック

計画的に大規模修繕工事を行い、外観や屋上防水、設備の更新などが行われていても、日常清掃や駐輪場、ゴミ捨て場の管理などが行き届いていないマンションは問題です。
日常清掃の管理が悪いと、廊下にホコリが貯まったり、エレベーターホールや郵便受け付近のゴミ箱にチラシが山積みになったりと清潔感が損なわれます。
また、駐輪場に自転車が無造作に置かれていたり、放置自転車や壊れた自転車などがあると見た目も悪いですし、ゴミ捨て場にゴミが散らかったり、ルール通り分類されていないと、管理が行き届いていないマンションと見られてしまい、防犯面でも悪影響です。
管理が行き届いていないマンションは、実際に売却する際に、内見者が見ると印象が悪く、売れないケースも多いです。
3. 意外に情報が多い掲示板

マンションの1階に掲示板が置いてあり、ゴミ出しの日や行事予定、緊急時の連絡先などが張り出されています。
ここで注目しておきたいのが、掲示板にトラブル関係の張り紙がされていないかです。
騒音クレームが多い、ペットを飼っている人がいるなど、マンションによっては、規定に反した行為が横行しているケースがあります。
掲示板にトラブルが張り出されている場合は、自分が購入したい部屋の上下左右でそういったトラブルがないかを必ず確認しましょう。
掲示板などには張り出されていない隠れたトラブルがあるケースもあります。
マンションを内覧する際に、機会があれば管理人や住民に積極的に話しかけ、何かトラブルなどがないか確認しておくのも良い方法です。
重要事項調査報告書で管理状態をチェック

管理状態を見るポイントとして、今回は3つご紹介いたしましたが、ほかにもチェックしておきたい重要なポイントがあります。
それは、
・ 借り入れの有無
・ 大規模修繕工事の実施状況
です。
このあたりは、他の記事でもいろいろと書かれていますので今回はメインにはしませんでしたが、非常に重要なポイントです。
前回の大規模修繕工事がいつ行われ、次の工事はいつ行われるかを確認する必要があります。
修繕積立金がなく借り入れがある場合、大規模修繕工事が実施できず、工事を実施するために修繕積立金の値上げや臨時徴収が予想されます。
値上げや臨時徴収が出来なければ、マンションはドンドン傷んでいき、最悪の場合は廃墟化してしまいます。
こういった情報は、管理会社が発行してくれる重要事項調査報告書に記載されています。
購入の前には、この重要事項調査報告書を不動産会社に必ずみせてもらってください。
ポイントを抑えて資産価値を保てる物件を選ぶ
今回紹介したチェックポイントを確認し、管理状態の良いマンション選びに役立ててください。(執筆者:山口 智也)