子どもが将来お金に困らないためには、そのベースとなるお金の知識を身につけることが必要不可欠です。
そこで、この記事では子どもに教えておきたいお金の知識について、Q&A形式で説明します。
また、子どものマネーリテラシーに悪影響を与える行為についてもお伝えします。
目次
お金の基本的な知識についてのQ&A
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最初に、大人でも意識することが少ないお金の基礎知識から始めます。
Q:どうして「お金」が生まれたの?
昔は物々交換が行われていましたが、何かと不便でした。
そこで、物品を手に入れる対価として、当時高い価値があった貝や金属を渡すようになったのが「お金」の始まりです。
・ 持ち歩きや収集がしやすい
・ 大きさや数で価値をはかりやすい
・ 長期保存できる
・ どんなものとも交換できる
便利なお金は世界中に普及し、私たちの生活に欠かせないものとなっています。
Q:どうすればお金が手に入るの?
お金を手に入れるには、お金の対価となるものを作ったり売ったりするために働く必要があります。
それを「労働」といいます。
労働には、
・ 必要な情報を発信する
・ 人々の安全を守る
・ 人を楽しませる
など、さまざまな種類があります。
そのような労働によって、売ったものやサービスなどにお金が支払われれば、そのお金や、そのお金の一部が働いた人のものになります。
Q:私たちが払ったお金はどこに行くの?
私たちが払ったお金は、お金を受け取った人が必要なものを買うために使われます。
その動きが活発になるほど景気がよくなり、暮らしも豊かになります。
お金の使い方について
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次は、お金の使い方について、子どもからよく出る質問を想定して紹介します。
Q:なぜほしいものを全部買ってはいけないの?
手持ちのお金は限られているため、ほしいものをすべて買っていたらすぐお金がなくなってしまいます。
お金がないと、
・ 住む場所に困る
・ 食べるものに困る
・ 学校や病院にも行けなくなる
ということになります。
それを防ぐためにも、欲しいものを絞って限りあるお金を有効に使う必要があります。
Q:お金がなければ借りればいいんじゃない?
お金を借りることを「借金」と言います。
銀行や消費者金融などの金融会社で借金はできますが、タダで貸してはくれません。
金融会社決めた金利(借入金額に応じた利息の割合) で計算した「利息」を足して返す必要があります。
利息は借金の返済期間が長くなるほど増えていきます。
そうすると、借金が返せなくなって厳しい取り立てに遭う恐れがあるため、安易にお金を借りるのはNGです。
貯蓄について
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子どもには、いざという場合に備えた貯蓄の大切さも教えたいところです。
Q:どうしてお金を貯める必要があるの?
それは、
・ 結婚費用
・ 入院や手術費
などの大きな支出に備えるためです。
これらの支出は、毎月の給料以上の金額になるので、コツコツ積み立てる必要があります。
Q:お金を貯める方法を知りたい
お金を定期的に積み立てる「積立貯蓄」がおすすめです。
たとえば、毎月のお小遣いやお年玉の一部をコツコツ貯めるといいでしょう。
お金をもらってすぐ、貯めるお金を別にする「先取り貯蓄」を行えば、毎月順調にお金が貯まります。
税金や社会保険料について
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税金や社会保険料についても、ある程度答えられるようにしておきましょう。
Q:そもそも税金ってなに?
私たちが国や都道府県、市区町村に納めるお金のことです。
日本の憲法では「納税の義務」があり、子どもを含むすべての国民がなんらかの税金を払っています。
Q:税金にはどんな種類があるの?
一口に税金といっても、非常の多くの種類があります。
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以上の税金のうち、私たちが個人で納める主な税金は次のものです。
・ 住民税 … 住んでいる自治体に払う税金
・ 消費税 … 買い物の代金にかかる税金
・ 贈与税 … もらったお金にかかる税金
・ 相続税 … 亡くなった人から受け継いだ財産にかかる税金
これらの税金は、
・ 各種助成金制度
・ ゴミ収集
などの公的サービスに使われます。
また、税金の一種として、社会保険料を納める義務もあります。
納めた社会保険料は、主に次の目的で使われます。
・ 年金保険料 … 高齢者や重度障害者の生活に必要なお金が支給される
・ 介護保険料 … 介護費用の負担を軽くする
これらのことを知らないと、大人になってから困る可能性が高いでしょう。
将来お金に困らないためには教養が必要
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大人になってお金に困らないためには、子どものうちから教養を身につけることが必要です。
そこで、勉強嫌いの子どもが言いそうな言葉に対する回答を用意しました。
Q:どうして勉強しなきゃいけないの?
大人になると文章、特に日本語を読む力が必要不可欠です。
たとえば、
・ 算数や数学の知識はお金の計算に役立つ
・ 暗算ができれば、レジの人がおつりを少なく渡したのにすぐ気づける
といったことが挙げられます。
また、仕事でも数字に強い人が高い給料をもらえる傾向があるので、勉強して損はありません。
世の中には悪い人がたくさんます。
そのような人にだまされない教養を身につけるためにもしっかり勉強しましょう。
子どものマネーリテラシー悪影響を与える親の行為
最後に、子どものマネーリテラシーに悪影響を及ぼす親の行為に触れます。
夫婦でお金に対する認識が異なっている
これは以前わが家でも起こったケースですが、夫婦の間でお金に対する認識が違うと、夫婦ゲンカが増えます。
それを見て子どもがお金にネガティブなイメージを持ち、変にお金に固執したり浪費に走ったりすることがあります。
思春期は特に注意が必要です。
それに気づいたら、すぐに話し合って夫婦の意見を統一させましょう。
多少時間はかかりますが、子どもがお金についてポジティブなイメージを持つようになります。
子どもにお金をかけすぎる
子どものお小遣いや教育費を「聖域」として制限なく使うのもNGです。
それによって家計が傾くことはもちろんですが、子どもの金銭感覚にも悪影響を及ぼします。
たとえば欲しいものをなんでも買ってしまえば、子どもがお金を粗末に扱うようになり、将来自立してから無計画にお金を使う恐れがあります。
その結果闇金などに手を出して破滅する可能性もないとは言えません。
子どもにお金のことで恩に着せる
子どもにお金のことで恩に着せるのは最悪です。
子育てに必要なお金を出すのは親の義務であることを自覚すべきです。
親が子どもに恩に着せると、子どもが親に遠慮または反発して危険なアルバイトなどに手を染める恐れがあるので注意が必要です。
子どもにマネーリテラシーを教えるのは親や身近な大人の役目
子どもにお金の知識を教えるのは親の役目です。
親がいなければ、祖父母などの身近な大人が親にかわって教える必要があります。
どなたも子育てや仕事で忙しいなか大変でしょうが、できるだけ子どもとお金の話をする時間を作り、子どものマネーリテラシーを育てていきましょう。(執筆者:大岩 楓)