子どもへのお小遣い、どうしていらっしゃいますか。
「何歳から、いくらあげるか」は、よく話題にのぼります。
しかし、1番大切なのは「渡したあと」だということは、意外と語られていません。
私たち大人でも、「お給料などで収入を得た後にどうするか」が勝負です。
同じ収入を得ていても、
・ お金が残らない人
が存在するのは、「収入を得た後の行動」が異なるからです。
学校では教えてくれないマネー教育ですが、生きてゆくためにお金の使い方を身に付けることは非常に重要です。
今回は、そんなマネー教育の一環でもある「ご家庭で出来る、お小遣いを使って身に付ける方法」の導入編を、FP兼子育てアドバイザーの筆者がお届けします。
目次
3つの箱でマネーを学ぼう

ご家庭でマネー教育を進めるために最適なのが、「お小遣い」です。
子どもが初めて手にする「自由にできるお金」です。
しかし、
子ども:「やったー!これで好きなもの買えるー!」
では、心配です。
「お小遣い帳をつけなさい」と言ってしまう前に、もっと効果的で生のマネー教育に役立つものがあります。
それが、「3つの箱」です。
お小遣いでマネー教育を進めるために、とても重要な役割を果たす「小さな箱」か「空き瓶」です。
どんなものがいくつ必要か
・ 小さくてよいので、フタが閉まるもの。
・ できれば、中身が見えるもの。
をご用意ください。
筆者は、家庭でサケフレークをよく食べるので、サケフレークの空き瓶を使用しています。

筆者の子どもは小2でまだ小さいので、お小遣いは硬貨ですが、お札が入る場合もあると思います。
その場合は、取り出しやすい箱を準備するのがよいです。
できるだけ、子どもと一緒に準備することをお勧めします。
なぜなら、マネー教育はこの段階ですでに始まっており、どの過程にも子どもが参加することが大切なためです。
100均でも、閉めることができるいろいろな大きさの箱が売っていますので、子どもと一緒に買いに行くのも、ワクワクするのでおすすめします。
3つの箱の使いかた

3つの箱は、
(2) 長期の貯蓄用
(3) つかう用
に、お小遣いを分けるために使います。
大人が給与を袋分けするのと同じように、子どもも、「箱分け」します。
それぞれ説明します。
(1) 短期の貯蓄用
ひとつめの箱は「短期の貯蓄用」に使います。
たとえば、「○○が欲しい」と子どもが思っているものが、月のお小遣いでは買えないほど高い場合です。
と話し合って、短期の貯蓄用の箱にお金を入れます。
つまり、「数か月後には使う」お金です。
大人でいうところの、「車検用に貯めておくお金」のような感覚です。
ここに貯めて、貯まったら欲しいものを買うことにより、
・ 頑張って貯めたら、欲しかったものが手に入った
・ 欲しかったものを手に入れたら、貯金箱がカラになった
という流れを、生の体験で学ぶことができます。
(2) 長期の貯蓄用
ふたつめの箱は「長期の貯蓄用」に使います。
こちらは、「ほんの少しでいいので、あなたの将来の夢のために貯めよう」と話し合って入れます。
・ 留学
・ 部活
で高額なものを買うなど、「将来の夢」という意味合いが理解できる年齢の子どもには、その話をします。
つまり、「数年は使わない、目的が決まっていないお金」です。
大人で言うところの「貯蓄」です。
長期の貯蓄用の箱にせっかくお金を入れても、つかう用のお金が足りなくなったら、手を出すかもしれません。
その時がチャンスです。
・ 来月からはどうするのか
話し合うキッカケになります。
最初から、理想的なお金の使い方ができる人などいません。
「キャラクターのオヤツじゃなくて、袋入りの方がたくさん入って安かったな」
など、失敗や小さな後悔を小さいうちから経験することで、お金の使い方が身に付いていきます。
この箱は、あえて見せることで、失敗を経験してもらうための箱とも言えます。
(3)つかう用

3つめの箱は、「つかう用」です。
お小遣いをもらいたての時は、この箱にたくさんお金が入っています。
その後どうなってゆくのかというと、
・ お金がなくなっていく様子を見て、使うのを控える子
・ 兄弟の中で自分の箱だけカラになり、泣いてしまう子
いろいろな情景が展開されることでしょう。
お金にまつわるいろんな感情を小さいうちから生で味わうことが、とても大切です。
・すぐにカラになるなら、月単位じゃなく、週単位に切り替えるかどうか。
出てくる問題に親子で向き合い、コミュニケーションを取りながら、お金に向き合える子が育ちます。
マネー教育にピッタリ「3つの箱」のススメ
今回は、ご家庭で取り入れやすい、マネー教育の方法を紹介しました。
3つの箱を使う方法には、
・ 長期的視点をもつ手掛かりになる
・ それぞれのご家庭に合ったアレンジができる
というメリットがあります。
お小遣いをこれから導入する方も、導入済みだけどマネー教育にはまだ取り掛かっていなかった方も、ぜひ記事を参考に「3つの箱」を取り入れてみてください。(執筆者:安藤 環)