新型コロナウイルスの影響で相場が大きく崩れ、「今こそ投資を始めよう」と証券会社に口座を開いた方は多かったようです。
初めての投資商品としてよく選ばれるものの1つが、「投資信託」です。
投資信託は、分散投資に向いていることや、プロに任せられるという安心感から、「投資ビギナー向け」といわれることもあります。
しかし実際のところは、投資信託は非常に種類が多く、商品の選定が難しいものです。
「初心者はインデックス投信が向くと聞いた」
など、よくわからないまま、なんとなく商品を選んだという方も、実は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、投資初心者の方向けに、投資信託の基本の1つである「インデックス型」と「アクティブ型」の違いについて解説します。
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目次
インデックス型の投資信託とは
インデックス型の投資信託(インデックスファンド)とは、日経平均株価やTOPIXなど、特定の株価指標と同じような動きをするように作られた投資信託です。
ざっくり言うと、
と思うのなら、日経平均株価に連動するインデックス投信を買っておけば良い、ということです。
メリット
インデックス型の投資信託には、次のようなメリットがあるといわれています。
1. シンプルでわかりやすい
特定の株価指標と同じような動きをするため、商品性がわかりやすいというメリットがあります。
何百もある個別銘柄から投資対象を選定する、という手間もかかりません。
2. 少額で分散投資ができる
「日経平均株価に連動するインデックス投信に投資する」ということは、
ということです。
225銘柄を個別に購入していたら膨大な資金が必要ですが、投資信託なら100円から購入できる証券会社もあります。
少額で分散投資可能という点は、インデックス投信の大きなメリットです。
3. 運用管理費用が安い
投資信託はプロに任せて運用してもらう商品のため、「運用管理費用(信託報酬)」がかかります。
この運用管理費用は、投資信託を保有する限り払い続ける必要のある費用なので、特に長期投資を考えている場合は、できるだけ安くおさえるにこしたことはありません。
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アクティブ型の投資信託とは
アクティブ型の投資信託(アクティブファンド)とは、ファンドマネジャー独自の銘柄選定や運用により、株価指数などの指標を上回る成果を目指す投資信託です。
今後成長が見込めそうな企業に積極投資をしたり、割安度が高い銘柄で構成されていたりと、商品ごとにさまざまな特色があります。
メリット
アクティブ型の投資信託には、次のようなメリットがあるといわれています。
1. 運用の自由度が高い
インデックス投信の場合は、指標と同じような値動きを目指すことから、指標の算出元となる企業を多く組み込んでいます。
あまり成績がふるわない企業がその中に入っていたとしても、インデックス投信という性質上、組み込まざるを得ないのです。
一方でアクティブ投信の場合は、運用方針に合わせてファンドマネジャーが積極的に銘柄を変更できます。
インデックス投信に比べると、銘柄の選定や運用の自由度が高いというメリットがあるのです。
2. 相場下落時に対応してもらえる
大きなリターンを目指しているアクティブ型の投資信託であれば、ある程度のリスクも覚悟しなければなりません。
しかし有能なファンドマネジャーが運用している投資信託なら、市場全体が落ち込んでいるときも損失をできるだけ抑えられるよう、臨機応変に対応してもらえます。
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「インデックス型」の方が優れているのか
投資初心者向けの記事においては、アクティブ型よりもインデックス型をすすめるものが多いようです。
しかし、それは
主に、
・ 運用にかかる手数料が安いため、長期積立に向いている
という点で、「初心者にも扱いやすい商品」とされているのでしょう。
インデックス型とアクティブ型は、単純に投資スタンスが異なるというだけで、対立するものではありません。
特別に投資したい対象がある場合には、運用方針に共感できるアクティブ型を探すのも妙味があります。
インデックス型を8割、アクティブ型を2割など、組み合わせて所有するのもよいでしょう。
投資スタイルに合わせて選ぼう
最近では、運用管理費用を1%程度におさえているアクティブ型の投資信託も増えてきました。
「投資初心者はインデックス型投資信託がおすすめ」というのは、もちろん間違いではありませんが、アクティブ型の投資信託が「悪い」というわけではありません。
ご自身の投資スタイルに合わせて、商品を選んでみてください。(執筆者:青海 光)