なんて話を聞いたことはありませんか。
でも今春、筆者はプロパンガスから都市ガスのアパートに引っ越したのですが、ガス代がさほど変わりませんでした。
どうしてそうなったのか調べてみると興味深いことが分かりました。
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目次
プロパンは「高い」都市ガスは「安い」説は本当か
筆者は昔アパート斡旋のバイトをしていました。
その時に都市ガスの物件はガス代が安く済んでランニングコストがお得と先輩から教えられました。
実際に「プロパンだからガス代が高くて湯船にお湯を貯めるのをためらう」なんて話も良く聞いていました。
今年筆者はプロパンガスの集合住宅から都市ガスの集合住宅へ引っ越しました。
プロパンガス時代は1か月でおおよそ7,000円から1万円程度のガス代が掛かっていました。
どのくらい安くなるかなとウキウキしていましたが、明細を見てまったく安くなっていなかったことに驚きました。
どうしてプロパンガスは高くなるのか
先に結論から言えば、一般的にプロパンガスは都市ガスより高くなることが多いというのは事実です。
少し前のデータにはなりますが、平成25年に経済産業省がまとめた「ガス料金等の現状について」によれば、都市ガスとプロパンガスの価格は全国平均で1.8倍の差があります。
おおよそ2倍と思うとすごい差です。
プロパンガスの価格が高くなりがちな理由は供給の仕組みと業界の慣例にあるといわれています。
プロパンガスはガス管を通しての供給ではなく、ボンベでガスを運ぶため、人の少ない田舎にも供給が可能です。
しかしその分輸送コストが価格に乗ってしまいます。
また、公共料金扱いで料金が法律である程度定められている都市ガスと違って、プロパンガスの価格は普通の商品と同じく自由設定が可能です。
それなら地区内で価格競争が起きそうなものですが、むしろ多くの地区でプロパンガス会社同士が価格をすり合わせて価格を高止まりさせてしまうケースが発生していました。
田舎ではそもそもプロパンガス供給会社が少ないか1社しかなく、独占状態で高めの価格設定にしていることもあります。
近年は良心的な価格のプロパンガスも多い
近年、ガス料金に限らずいろいろと消費者も情報を自分で調べたり、価格について透明性のある説明を求めたりする動きが大きくなっています。
プロパンガス会社に適正料金の適用や分かりやすい価格設定を求めるガス業界の団体も出てきました。
そのうちのひとつである一般社団法人プロパンガス料金消費者協会は、プロパンガスの適正料金めやすを都市ガスの1.2倍程度としています。
このめやすに沿った料金にしているプロパンガス会社も少なくありません。
そういったプロパンガス会社を選べばプロパンガスでも都市ガス並みの料金になります。
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「どのガス会社か」を見るのが正解
プロパンガスは自分でどの会社と契約するか決めることができます。
しかし現実問題、アパートやマンション、団地などの集合住宅の場合、プロパンガスの会社を自分勝手に変えることはまず不可能です。
なので、部屋を選ぶ時にはガス代という観点から見れば都市ガスを選ぶのが無難ではあります。
もしくはプロパンガスの配給会社は不動産屋に聞けばすぐ分かるので会社名を聞き、料金体系や基本料金を確認してみることでプロパンガスの部屋でも都市ガス並みのガス料金で暮らすことが可能です。
節約のために会社を選ぼう
筆者の場合、確認してみると以前住んでいた部屋のプロパンガス会社は原料費調整制度を取り入れるなど安易な値上げと価格の高止まりをしない仕組みのある良心的なプロパンガス会社でした。
近年はプロパンだから高い、都市ガスだから安いと一概には言えないのだと実感しました。
プロパンガスは災害に強い、熱量が高いなどのメリットもあります。
プロパンガスを適正価格で使えるよう、ガス会社選びに注目してみてください。(執筆者:金子 ゆかり)