保険外交員だった頃、あるお客さまから、
というお問い合わせをいただいた事がありました。
理由をお聞きすると、お母さまが他界したのですが
との事でした。
お客さまとお母さまは同居していましたが、親の保険やお金の事はよく知らないという人が意外と多いのかもしれません。
ましてや親が1人暮らしだと、その傾向は強くなるでしょう。
そこで、この記事では、1人暮らしの親の死亡保険にまつわる「2つの疑問」について解説します。

目次
疑問1:親が「保険に入っていた」とわかる手がかりはどこにあるのか
証書や約款などのファイル、毎年送られてくる契約内容のお知らせなどが見つかればいいのですが、それが見つからない場合は、心当たりの保険会社に直接問い合わせるしかありません。
手がかりになるものとしては、以下があります。
1.カレンダー、ボールペン、ポケットティッシュなど
社名入りのタオルは余り見かけなくなった印象がありますが、ロゴ入りカレンダーやボールペンなどの小物は比較的どなたの家でも見かけます。
またポケットティッシュも、使われているキャラクターから保険会社が分かります。

2.保険料の引き落とし履歴
預金通帳で、保険料の引き落としを確認できます。
3.生命保険料控除
生命保険料控除を調べるという方法があります。
親が自営業者などで、ご自身で確定申告をしていたのであれば、
親が
会社員だった場合には、勤務先の保険事務担当者などに
・ 保険料が給与天引きされていないか
を問い合わせてください。

ただし、保険料を既に払い終えている場合や、一時払いや振込の場合は通帳に引き落としの履歴が残りませんし、これらのうち振込み以外は生命保険料控除関連の書類もありませんので、要注意です。
保険の情報管理はとても厳しくなっていますが、どの保険会社に確認するかが定まったら、まずは電話で問い合わせてください。
疑問2:相続放棄しても死亡保険金を受け取れるか
死亡保険金は、本来は被保険者の財産ではないけれど、被保険者が亡くなった事で相続人のものになる「みなし相続財産」です。
従って相続税の対象になります。
では、相続放棄をした人が受取人だった場合、死亡保険金はどうなるのでしょうか。
なぜなら、
死亡保険金は受取人固有の財産だからです。
ただし、相続放棄をしなければ受けられた「500万円の非課税金額」の適用が受けられなくなります。
一方、被保険者(亡くなった人)が受取人になっている場合は、
逆に言うと、保険金を受け取ってしまうと相続放棄ができなくなります。
情報共有の大切さ
お客さまの中には、保険に加入している事を家族に知られたくないという方もいましたが、遺族が見つけられないばかりに、親がそれまで払ってきた保険料がムダになるのは、とっても悲しいことです。
どんな形でも、保険の情報共有が大切です。(執筆者:金澤 けい子)