不動産投資というとローンを組んで購入するというイメージが強いと思います。
それは不動産投資の醍醐味である、ローンを組むことによるレバレッジ効果にあります。
しかし、場合によってはそのレバレッジ効果が低く、現金購入する方が良い場合もあります。
今回は、不動産投資で現金、ローンのどっちで買う方が良いかの目安についてお話しいたします。

目次
安全性と効率性の関係
不動産投資も投資ですから、効率よく自己資金を活用して資産を増やしたいものです。
しかし、効率性を求め過ぎるとリスクが大きくなるので、自身の与信と見比べながらバランスを取ることが重要です。
例えば、現金で利回り率10%の区分マンションを1,000万円で購入したとします。
管理費・修繕積立金、賃貸管理費、固定資産税など運営費が25%掛かるとすると、年間の収入は75万円です。
これを金利2%、25年のフルローンで購入すると、年間の返済は約51万となるので、
となります。
手残りが24万だと、空室になれば原状回復費用でなくなってしまう金額です。
さらに空室期間が続けば、マイナス金額はドンドン増えていきます。
しかし、入居し続けてくれれば、資金ゼロ24万の収入を得ることができます。
このように、安全性と効率性は相反する関係にあります。
投資の方針によって現金かローンは変わる

将来、数億円の資産を築きたいという投資家と月20万程度の収入で良いという投資家では、投資方法が大きく変わります。
数億円の資産を築きたい投資家の場合は、安全性を考えて現金でコツコツと物件を購入していくとなると、目標に到達する前に人生が終わってしまいます。
そのため、現金はできるだけ使わず、規模の大きな物件をローンを借りられるだけ借りて、レバレッジ効果を最大限にいかしたリスクの高い投資を行う必要があります。
うまく投資に成功すれば、短期間で資産を大きく膨らませることができます。
その分、リスクが高い投資となるので、1度でもつまづくと一気に破産してしまうこともあります。
逆に、月20万程度の収入で良いのであれば、戸建てや区分マンションを2~3件買えば良いので、現金で購入したり、ローンを使うにしても、ある程度頭金を入れながらリスクを抑えた投資をすることができます。
まずは、
どのくらいの収入を目指すのか
といった目標をはっきりさせることが重要です。
自分の目標をはっきりさせることで、達成のためには、現金でコツコツ買う方が良いのか、ローンを組んでレバレッジを効かせて効率よく買う方が良いのかを検討する材料になります。
現金が良いか、ローンが良いかは投資家次第
お金が無限にあるなら、わざわざローンを組んでリスクを取る必要はありませんが、一般の方々は投資に回せるお金はそう多くはないと思います。
そのため、不動産投資を始める場合、お金を効率よく使うためにローンを使う訳です。
しかし、目標が高くないのであれば、無理をせず、現金で購入したり、頭金を多くいれてリスクの低い投資をすれば良いでしょう。
不動産投資を現金でする方が良いか、ローンを組む方が良いかは、その投資家次第ということになります。(執筆者:宅地建物取引士 山口 智也)