葬儀を終えて四十九日までに取りそろえないといけないのが仏壇です。
日本の葬送文化では、死後四十九日を経て故人は成仏し、祖霊になっていくと考えられています。
ですから葬儀社が用意した白木の仮祭壇から、長くお祀りすることのできる仏壇を用意するのです。
しかし葬儀と同様で、仏壇も高額な出費を伴います。
だからといって粗悪で安価な仏壇でいいかというと、それでは故人が浮かばれないような気もします。
良い仏壇を安く買うためにはどんな点に気をつければよいのか、仏壇店選びのコツを考えてみます。
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目次
インターネットか実店舗か
仏壇を買う選択肢に、インターネットサイトで購入するか仏壇店で購入するかのいずれかがあります。
安く仏壇を手に入れるなら、迷うことなくインターネットサイトです。
自分の好きな時に仏壇を選ぶことができ、日本全国のショップがネット上にさまざまな仏壇を掲載しているので、無数にある仏壇の中からお気に入りのものを選べます。
ただし現物を手にすることができませんし、販売員によるアドバイスも受けられません。
仏壇店だとただの商品説明だけでなく、仏壇の設置場所、毎日のお祀りの方法、お寺との付き合い方、地域の慣習など、仏壇の周りで発生することに関してもひとりひとりの状況に合わせてアドバイスしてくれるでしょう。
こうしたキメの細かいやりとりはインターネットでは難しいところです。
伝統仏壇は実店舗で購入すべし
最近の仏壇は主に、モダンな「家具調仏壇」と唐木仏壇や金仏壇と呼ばれる「伝統仏壇」の2つに分けられます。
家具調仏壇の設置はそう難しくはありません。
「家具」と呼ばれている通り、仏壇や中に並べる仏具も希望する場所に置くだけで済むので、家の人だけでも簡単に設置できます。
一方の伝統仏壇はある程度専門性が求められます。
中に並ぶ仏具も宗派専用のものがありますし、灯篭(とうろう)や輪灯(りんとう)などの灯りをともす仏具には電気の線をつなげなければなりません。
仏壇の配達や設置、その後のアフターフォローも迅速にしてくれる仏壇店で買うのがおすすめです。
複数の仏壇店を比較してみる
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安くていい仏壇を買うためには、
複数の仏壇店を実際に見て回って比較することも大切です。
たとえば同じサイズ、同じ産地の仏壇でも、仏壇店によって値段が異なることがあります。
これは仏壇業界の商習慣として、メーカーの希望小売価格というものがあまり機能しておらず、オープン価格、つまり仏壇店が自由に値段を決める風潮があるからです。
利益に対する考え方によって、同格の仏壇でも値段が変わることもしばしばなのです。(執筆者:五十嵐 信博)