米国株や中国株に投資をする際によく議論になるのが、
というテーマです。
2000年代は国内から海外投資ができる環境はあまり整っておらず、投資できる国も銘柄も限られ、手数料も安くはありませんでした。
本格的に海外投資をするために、わざわざ海外の証券口座を開く人も少なくなかったのです。
しかし既に2020年代、令和の時代です。
海外投資を取り巻く環境も大分、変わりました。
2020年代の海外投資では「国内口座と海外口座、結局どちらが良いのだろうか」と思う人もいるかもしれません。
本記事では2000年代、10年代を振り返りながら、国内口座と海外口座の特徴をご紹介します。
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目次
国内口座から海外投資をするメリット・デメリット
結論から言ってしまうと、
昔は大手ネット証券で米国株を売買するのに、往復で最低5000円近くかかることも珍しくありませんでした。
そして取引できる銘柄や国も少なかったのです。
しかし、今ではこれらの問題はかなり解決しました。
メリット1:日本人が使いやすい仕様
・ 日本語が通じる
・ 税制的にも日本の金融機関から取引する方が有利
日本口座を開く方が海外口座を開くよりも簡単です。
しかも取引をする際の注文画面も日本語で、日本人にも使いやすい仕様になっています。
困ったことがあっても電話をすれば、ちゃんと日本語が通じるコールセンターにつながります。
しかも税金の手続きも「源泉徴収ありの特定口座」を使えば確定申告の手間が省けます。
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メリット2:日本のネット証券だけでほぼカバー、手数料も安価
しかも今では、
・ 香港
・ 上海A
・ 深センA
・ シンガポール
・ マレーシア
・ タイ
・ ベトナム
・ ロシア
・ インドネシア
・ イギリス
・ フランス
を日本のネット証券だけでカバーできます。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、サクソバンク証券の口座を開けば、
投資信託で世界の市場を丸ごと買うことも簡単になりました。
取引手数料も、米国株なら小口で0USDから取引できるネット証券もあります。
最高手数料も20USD程度です。
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取扱銘柄数も増えており、よほど知られていないマイナーな銘柄でも買おうとしない限り問題ありません。
デメリット
・ 手数料が海外の現地証券会社よりはかかる
・ すべての銘柄が取引できるわけではない
デメリットを挙げようと思えば挙げられますが、実はほとんど問題になりません。
しいて言うなら国内口座は、海外に本格的に移住するようなことになったら、解約しなければいけなくなる可能性があります。
個々の証券会社と最終的には相談しなければいけません。
原則、帰国予定がなく海外移住をするとなると、国内証券口座を閉じなければいけなくなるケースがあるため、移住を考えている人は事前に確認をとった方が良いかもしれません。
取引手数料は、海外の現地証券会社の中には最高手数料も含めて完全に往復「0」USDしかかからないところもあります。
例えば、米国のロビンフッドやFirstradeの取引手数料は完全に無料になりました。
さすがに安くなったと言っても、日本のネット証券では取引額が約40万円を超えてくると、往復で4,000円以上はかかってしまいます。
またマイナー過ぎる銘柄も日本のネット証券では買えないケースもあります。
しかし、このようなデメリットがあっても、
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海外口座はデメリットの方が目立つ
海外口座から投資をするデメリットは大きく分けて2つあります。
2. コロナウイルスの感染拡大によって浮き彫りになったカントリーリスク
税金関係で圧倒的に不利
海外口座で外国株を購入した場合、損失を来年に繰り越せないというデメリットがあります。
確定申告も外貨建てで取引を計算しなければいけないため、かなり面倒になります。
コロナ禍で海外との行き来が困難に
また昨今のコロナウイルス感染拡大で、海外の口座をもつリスクも浮き彫りになりました。
例えばカンボジアの銀行口座の金利は米ドル建てで定期5%前後あることは知られていますが、実際に預けたりおろしたりする際は現地まで行かなければいけません。
しかし現在は入国制限もあり、いつも自由に行き来できるとは限らないことが、改めてコロナウイルスの感染拡大で意識されることになりました。
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確かに海外口座は一見、取引手数料が安く銘柄制限もないため魅力的に感じますが、近年国内の海外投資の環境も充実してきました。
よほどの理由がない限り、国内のネット証券から取引する方がおすすめです。
便利になった国内口座で不都合なし
海外投資には大きく分けて「国内口座からの投資」と「海外口座からの投資」があります。
昔は海外口座のメリットも大きかったのですが、現在は国内口座で主要市場も銘柄もほとんどカバーしており、手数料もかなり安くなりました。
むしろ今では、海外口座を通して取引することの煩雑さや税制的なデメリットの方が目立ちます。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、サクソバンク証券、内藤証券(上海A株・中国に強い)など国内のネット証券を駆使すれば十分です。
海外口座はどうしても国内口座で不都合がある時にだけ検討しても、遅くはありません。(執筆者:世界を旅する投資家 田守 正彦)