クレジットカードや電子マネー、電子決済アプリが普及し、「お金」の感覚が薄れてきているといわれます。
子どもが大きくなるころ、その傾向はより顕著になることでしょう。
小さいうちから、「手元にあるお金で暮らす」習慣を身に着けておく重要性は、より高まっているといえます。
そこで、正しいマネー感覚を身に着ける方法としておすすめなのが「おこづかい帳」をつけるやり方です。
今回は、おこづかい帳をつけるメリットとコツ、無料ダウンロードサイトをご紹介します。

目次
おこづかい帳をつけるメリット
おこづかい帳をつける3つのメリットは以下のとおりです。
2. 子ども自身の行動を振り返りマネー感覚を養える
3. 生きた計算能力が身に付く
メリット1. もらった金額・使った金額を可視化できる
おこづかい帳をつけると、「入金・出金・残額」のお金の流れがひと目でわかります。
逆に、おこづかいをもらって、そのまま使ってしまうと
・ 何に、いくら使ったのか
がわからないまま進みます。
見えるのは、貯金箱に残った残額のみです。
子どもによっては、「知らない間にすぐ空っぽになる」という子もいるでしょう。
お金が減った貯金箱をみても「なんで減ったのだろう?」とわからないままでは、マネー教育としてもったいないです。
特に「お金を使いたい気持ちが強い子」はおこづかい帳をつけるメリットが大きいと言えます。
手元のお金をどんどん使ってしまいますが、おこづかい帳でお金の減り具合を見たとき「わ、なくなったら使えない」と危機感を感じるからです。
あまり難しく考えず、まず書き始めてみるのがおすすめです。
メリット2. 子ども自身の行動を振り返りマネー感覚を養える
おこづかい帳を書き始めると、書きながら後悔する場面が出てきます。
「勢いでキーホルダーを買ったけど、学校にも持って行けないし、よく考えたら意味がなかった」など、
「〇〇を買わなければよかった」
と感じます。
子どもが感じる失敗や後悔は、最高のマネー教育材料です。
子どもが自分自身の行動を振り返るキッカケになるためです。
「お金は使うとなくなる」とリアルに感じると、「じゃあ、来月からは〇〇にしよう。」と自分なりの改善策を立てるようになります。
こうした「後悔 → 改善」の流れを繰り返し、マネー感覚を養います。
できれば親が子どもの考えを受け止めサポートできれば、より良い流れを作れます。
コツは、「おこづかいを渡すときに、おこづかい帳を見せるルールにする」ことです。
おこづかい帳を見ながら子どもの気持ちを聞き、今月どうするかを話し合うだけで、じゅうぶんマネー教育になります。
このとき、叱らないことがポイントです。
叱ると子どもはおこづかい帳にうそを書いたり、本当のことがいえなくなったりします。
お金に関しては、本当のことをさらけ出してもらうのが何より重要です。
「収支が合わないのはなぜ?」
と言いたくなるのをグッとこらえましょう。
その上で、「今月、月末までお金を残しておくには、こんなやり方もあるよ」とアドバイスするのがおすすめです。
もし子ども同士で金銭トラブルが発生していそうなら、真剣に向き合います。
「貸した、おごった、借りた」といった場面も成長とともに出てくる可能性があるためです。
おこづかい帳で可視化しておくと、こうしたトラブルにも気づきやすく、大ごとになる前に対処が可能です。
メリット3. 生きた計算能力が身に付く
学校での計算は「数字としての計算」です。
しかし、おこづかい帳を書くときの計算は「自分の生活がかかった計算」になり、重要度や重みがまったく違います。
おこづかいやお金を通して考えると、1,000の位の計算がひんぱんに出てきます。
ほかにも
・ あといくら使えるのかという「虫食い計算」など
も身に付きます。
筆者の子どもは、「なんで、値札には98円って書いてあったのに、こんなに高いの?」と怒り出し、消費税を学びました。
「自分のお金が減る」現実が、本気で学ぶキッカケになりました。
おこづかい帳を続けるには、親子の根気が必要です。
しかし、厳しすぎず続けることを目的に進めば、親子の財産になります。
気軽に始めるために、無料でダウンロードできるおこづかい帳をご紹介します。
無料でダウンロードできるおこづかい帳3選
おすすめ1. 柏市提供「マナブーのマネーノート」
千葉県柏市が提供しているおこづかい帳です。
子ども自身が「お金を管理する経験を積む」ために考えられたノートで随所に工夫があります。

「物を買う前に1度立ち止まり、考えてみるための工夫」として、予定を書き、値段を調べるページもあります。

手元のお金だけでなく、貯金額の推移も記入できる優れモノです。
「マネブーのマネーノート」を使うと、親子でマネー教育に取り組みやすいのでおすすめします。
おすすめ2.バザールでござーる おこづかい帳
月のスケジュールとおこづかい帳が1枚になっていて便利です。
予定を確認しながら、お金を使う日を確認できます。

おすすめ3. 日世コーンのおこづかい帳
シンプルなおこづかい帳がよい人はこちらがおすすめです。
表紙や作り方などもあり、ノートのように作れます。

参照:NISSEI(pdf)
おこづかい帳でマネー感覚を磨こう
おこづかい帳を使ったからすぐに、マネー感覚がつくわけではありません。
しかし、親子で話し合い、子どもが何度も失敗しながら身に着けた感覚は、大人になってからかならず生きてきます。
まずは気軽に、おこづかい帳を始めてみることをおすすめします。(執筆者:安藤 環)