所得税・住民税の課税関係を勤め先に代行してもらう年末調整は、自身で確定申告を行う必要がなくなる大変便利な制度です。
しかし、人手による処理を行っていることから、どうしても間違いが発生することがあります。
その場合には、誤った情報で税額が申告されてしまい、本来より多くの税金が差し引かれてしまう恐れもあります。
こうした年末調整の誤りは後に発行される源泉徴収票によって気がつくことがほとんどです。
誤った情報を基に年末調整が行われてしまっていた場合、どのように対処すればよいのでしょうか?
税額はさほどでもありませんが、職場に伝えて返してもらうことは可能なのでしょうか?」
今回は年末調整の是正方法について解説します。

気付いたタイミングによって異なった手続きが必要
源泉徴収票が発行されてから年末調整の誤りに気付くことが多いため、是正の対応を開始するまでにタイムラグが生じやすく、課税に関するさまざまな手続きが進んでしまっていることから、誤りに気付いた時期により対応方法が異なります。
年末調整の誤りに翌年の1月31日までに気付き、
が、
です。
しかし、確定申告も3月15日までしか実施していないため、
を行います。
修正申告の期限は原則5年間で、所轄の税務署に更正の請求を行うことで払いすぎてしまった税金の還付を受けられます。
早期発見、早期修正
年末調整の是正は早期に気付くことができれば簡便な手続きで済ませられますが、時間の経過とともに確定申告や修正申告が必要となり、手続きが複雑化していきます。
しかし、年末調整などの課税関係に関する手続きは所得税・住民税に及ぶ重要なものです。
場合によっては市区町村などが実施している住民税非課税世帯への優遇策が利用できなくなってしまい、生活に大きな影響を及ぼしてしまう恐れもあります。
源泉徴収票などを早期にしっかりと確認し、正しい納税を行うようにしましょう。(執筆者:菊原 浩司)