私たちひとりひとりが財産を蓄えていくうえで避けることのできないものは「税金」です。
年末調整や確定申告を通じて個人の納税額が計算され、毎年のように所得税や住民税を払い続けている方がほとんどです。
「儲けたって納税額も増えるんだから結局同じじゃないの?」
税金について、もしこのように思われているのであればそれは大きな誤解です。
税金は決して平等なものではなく、所得が増えるほど税負担が重くなるとは限りません。
そして、この誤解を解いた先に、あなたがお金持ちになるヒントが隠されているのかもしれません。

目次
所得の種類と超過累進税率
所得税を計算するうえで、私たちの所得は10種類に分類されます。
給与、事業、不動産、譲渡、配当、利子、退職、雑、一時、山林です。
この10種類の中で給与や事業、不動産、雑(一部のものを除く)、一時のような所得については最終的に合算され、その合計金額が大きいほど所得税率も高まるといういわゆる「超過累進税率」が採用されています。

表の所得税率からも分かるように、この超過累進税率が適用される所得については「所得金額が増えれば増えるほど税負担は重くなる」という認識は正しいです。
所得が増えても税率が変わらない所得とは
しかし、実はどれだけ増えたとしても、税率が不変の所得もいくつか存在します。
・ 譲渡や不動産の譲渡
・ FX(国内口座)に基く所得
です。
これらの所得であれば、仮にその所得が100万円であろうと1億円であろうと、所得税率は一切変わることはありません。
したがって、このような
それらの所得にかかる具体的な税率は次の通りです。

表のうち、所有期間が5年超の不動産売却を継続的に行うことはあまり現実的ではありません。
そのうえ不動産売買の場合に付随する印紙や不動産取得税などの他の税金が発生することを考えると、
ということがわかります。

所得税率の差から税引後キャッシュを増やす
これまで見てきた「超過累進税率に分類される所得」と「税率が一定の所得」の差を考えると、どのような方法がお金持ちになるための最短ルートとなるのかが窺えます。
その方法とは、
というものです。
そうすると投資活動で得た利潤に対して所得税は一律15%(住民税と併せても20%)しか課税されないため、逆算すれば利潤の8割が手元に残る計算です。
このような流れを繰り返すことでキャッシュを増やし、次第に収入のウエイトを給与や事業収入から上場株式やFXへの投資収入へシフトさせることによって、税引後のキャッシュはより多く手元に残ることになります。
マネーリテラシーの向上がお金持ちになる条件
言うまでもなく、この一連の流れを実現させていくためには投資活動で利潤を出すことが必須となるため、税制への正しい理解だけではなく株式やFX投資の知識も深めていくことが求められます。
したがって、ここ日本においては、税金や投資を含めたマネーリテラシーの向上こそがお金持ちになるための最大の条件と言えるかもしれません。(執筆者:税理士 服部 大)