日本国内に居住している20歳以上60歳未満のすべての人は、国民年金に加入しなければなりません。
厚生年金に加入している会社員や公務員などの国民年金の第2号被保険者は、厚生年金の保険料を通して国民年金保険料を払っているため自ら国民年金保険料を支払う必要はありません。
しかし、自営業者や学生などの国民年金の第1号被保険者は、自分で国民年金保険料を支払う必要があります。
近頃、国民年金保険料の納付率が上がってきたと言っても、まだ約3割の人は保険料を払っていません。
特に若い人たちのなかには、
と考えて、未納の人も多いことでしょう。
しかし、国民年金は公的年金のため、民間の年金よりも充実しているのです。
今回は、国民年金の保険料を払った方が良い理由について詳しく解説していきます。
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目次
年金制度が破綻することはあるのか
日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は国民年金の加入義務があるため、本来は必ず保険料を支払わなければなりません。
しかし、現在の年金制度は世代間扶養をベースとしているため、少子高齢化が進んでいくと年金制度が破綻し、保険料を払っても結局はもらえなくなると思っている人も多いことでしょう。
そして、「払い損になるなら、自分で貯蓄でもした方が良いのではないか」と考える人がいてもおかしくはありません。
しかし、国民年金は国の公的年金制度であるため、破綻する危険性は極めて低いと思われます。
なぜなら、
・ 年金制度の破綻=国の破綻を意味する
からです。
もちろん、年金の需給開始年齢が高くなったり、支給額が減ったりすることはあるかもしれません。
それでも国民年金制度には、民間にはない利点がたくさんあるのです。
なぜ国民年金保険料を払った方が良いのか
国民年金制度は、老齢、障害、死亡に対して給付をすることで、生活を安定させる役割を持っています。
すなわち、国民年金の受給は老齢のためのものだけではないのです。
年金というと「老後のためのもの」と考えてしまいますが、「一定の障害状態」になってしまった際には障害基礎年金を受給できます。
また、「亡くなった際」に一定の年齢の子がいる場合に遺族が受給できる遺族基礎年金もあります。
これらの年金は保険料を支払っている全員が受給するわけではないため、なかなか想像ができないかもしらませんが、もしもの時に大変に助かるものです。
このように、
のです。
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払えないときには保険料免除制度で未納を防ぐ
このように、国民年金の保険料は、払った方がお得です。
しかし、実際に収入が低い時には払えないこともあるかもしれません。
そのような時には国民年金の保険料免除制度もありますので、未納だけは止めるようにした方が賢明です。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)