消費税増税の景気落ち込み回避策として、政府はこれまでに「プレミアム付商品券」と「キャッシュレス・ポイント還元事業」を実施しました。
そしてこの度第3弾として2020年9月より新たにスタートするのが「マイナポイント」と呼ばれる制度です。
マイナポイントは、マイナンバーカードと紐づけたキャッシュレス決済を利用すればポイントが還元されるというシステムです。
非接触で決済できるキャッシュレスのニーズはコロナ禍にある今高まりつつあり、マイナポイントもさらなる注目を集めています。
しかしその一方で決済の手段が乱立してしまっているとの声もあります。
そこで今回はおすすめの決済サービス手段と、それぞれどのような特典があるのかについてまとめてみました。
目次
マイナポイントについておさらい
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マイナポイントとはマイナンバーカードを活用したポイント還元制度です。
マイナンバーカードを発行している人が対象であり、所定の設定や登録に加え、キャッシュレス決済サービスを選んでチャージまたは買い物をするだけで、キャッシュレス決済サービス事業者からポイントが付与されるシステムとなっています。
マイナポイントの大きな魅力は、何と言っても還元率の高さです。
還元率は25%で一人あたりの上限は5,000円までです。
つまり2万円の買い物をすると5,000円が付与されます。
6月に終了したキャッシュレス・ポイント還元事業の還元率は2~5%程度だったので、高い注目を集めるのも理解できるでしょう。
マイナポイントの取扱期間は、2020年9月~2021年3月までの約7か月間です。
消費活性化のほかに、マイナンバーカードの普及率アップやキャッシュレス決済の基盤構築なども目的の1つと言われています。
利用者確保に向けて各社の争奪戦が激化
還元率の高さが魅力のマイナポイントですが、その一方で決済手段が多すぎて乱立しているとの声も上がっています。
有名どころではICOCAやSuicaなどの交通系、PayPay・楽天ペイ・LINE Payなどのスマホ決済などがありますが、実はキャッシュレス決済サービスの登録事業者数は100以上も存在します。
参照:マイナポイント
しかし、ここで注意しなければならないのは、マイナポイントと紐づけできるキャッシュレス決済の手段は「ひとつだけ」という点です。
そのため、各社は国が設定する25%の還元とはまた別に独自な上乗せを行ったり特典を付与したりとさまざまなプレミアムを追加し、登録者獲得に向けた販促を積極的に実施しています。
決済の主導権争いが激化している状況にあります。
競争激化によって享受できるメリットが大きくなるのは私たちにとってもうれしいことではありますが、決済サービスは1度登録してしまうと変更はできません。
よって慎重に吟味したうえで決める必要があると言えるでしょう。
そこで、独自のプレミアムを付与している登録事業者について次でまとめてみました。
決済サービス手段についてまだ悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
独自の上乗せを実施する事業者
各社はどのような独自のプレミアムを付与しているのでしょうか。
100以上ある決済サービスから魅力的なものをいくつかピックアップしてご紹介します。
1. 最大100万円が当たる大規模なキャンペーンを実施【PayPay】
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スマホ決済のPayPayは、8月31日までにマイナポイントのキャッシュレス決済先として登録を完了させると、最大100万円相当のボーナスが当たる「マイナポイントペイペイジャンボ」への参加が可能となっています。
1等は100万円相当 × 10人
2等は5万円相当 × 150人
3等は5,000円相当 × 1,500人
4等は500円相当 × 15万人
とかなり大規模なキャンペーン内容となっています。
また、PayPayではマイナポイントと連携した自治体限定のキャンペーンも実施しています。
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例えば、北海道厚真町では、PayPayをマイナポイントの決済手段として登録し対象店舗で決済すると通常のマイナポイントに加えて、購入金額に応じたPayPayボーナスを付与します。(2020年9月実施予定 詳細は後日発表)
2. 最大2,000円を追加還元【WAON】
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還元率が大きいと今注目されているのが、イオン系列の電子マネーであるWAONです。
国が設定している5,000円の還元とはまた別に、最大2,000円分のWAON(電子マネー)の還元を実施します。
よって合計で最大7,000円の還元を受けられる形となります。
イオン系列のスーパーは全国的にも多いため、生活圏内にあるのであればWAONを選ぶのも良いでしょう。
3. 最大2,000円の追加還元と抽選を実施【メルペイ】
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フリマアプリの「メルカリ」が展開するメルペイでは、マイナポイントの申し込みを行い期間中にチャージしたユーザーに対して、最大1,000円分のポイントを還元します。
またマイナポイント申し込み後にメルカリにて実際に購入すれば、さらに最大1,000ポイントが付与されます。
このほか、総額1億ポイント山分けキャンペーンも開催します。
2等は100万円相当 × 10人
3等は5万円相当 × 150人
4等は5,000円相当 × 1,500人
5等は500円相当 × 13万人
という内訳となっています。
4. 特典クーポンが3か月毎月追加で5枚もらえる【LINE Pay】
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LINE Payは、スマホアプリの「LINE」が提供する決済サービスです。
8月25日までにマイナポイントの申し込みを行うと、LINE Pay加盟店で利用ができる特典クーポン月々5枚 × 3か月の計15枚をマイランクに応じた枚数に加えて付与されます。
特典クーポンはスーパーやコンビニ、飲食店などで5~10%オフになったり100円オフになったりといった内容です。
好きなものを自身で選んでダウンロードする仕組みです。
5. 申し込みとチャージで1,000円の追加還元【Suica】
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JR東日本の交通系電子マネーであるsuicaでは、マイナポイントの申し込みを行いチャージすれば、JREポイントをさらに1,000円分上乗せします。
合計で6,000円分の還元を受けられるようになります。
6. 500円を追加還元【d払い】
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Docomoのスマホ決済サービスd払いでは、マイナポイントの決済先としてd払いもしくはdカードを選択すると、dポイントが500円分付与されるキャンペーンを実施します。
マイナポイント還元の5,000円分と合わせて計5,500円分のポイント還元が受けられます。
また、全国のドコモショップの店頭に「マイナポイント予約・申込支援端末」も設置される予定です。
7. チャージで1,000円を追加還元【au PAY】
Auのスマホ決済サービスであるau PAYでは、マイナポイントの申し込みを行い対象期間内にチャージをすれば上限1,000円相当のポイントが追加で還元されます。
またチャージの都度即還元される点も魅力でしょう。
しっかり吟味したうえで決済サービスを選ぼう
今回紹介したように、登録者数確保のため独自のプレミアムを付けている決済サービスは増えてきています。
数字上でお得感のあるものを基準として選ぶのも1つの方法ですが、既にキャッシュレス決済を利用しているのであれば利用頻度の高いものを選んだり、使い勝手の良さを重視したりというのも大切な要素となるでしょう。
また、マイナンバーカードの発行や決済サービスの登録なども必要となります。
マイナポイントが実際にスタートするのは2020年9月からですが、今のうちから準備を始めていくようにしましょう。(執筆者:吉村 みき子 監修:角野達仁)