保険は入れば終わりではなく、定期的に見直しが必要といわれます。
しかし保険を見直すといっても、どうすべきか分からない人も多いはずです。
保険を見直す際は、保障内容のトレンドを知っておくことが大切です。
そこで今回は、加入者が増え続けている「医療保険」に焦点をあてて、保障内容の3つのトレンドを紹介します。
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目次
医療保険の加入者は増加傾向
一般社団法人生命保険協会によると、2018年の医療保険の新規契約数が345万件と、他の生命保険と比較して最も多くなっています。
累計の契約件数も2014年に3,194万件でしたが、2018年には3,850万件と約20%も増えています。
近年は平均寿命が伸び続け、死亡保障よりも生きている間にかかる医療費を保障するためのニーズが高まってきているといえるでしょう。
現役世代の場合は公的保険の利用で3割負担で済みますが、病気やケガの内容によっては多額の医療費がかかる場合もあります。
このように時代の変化に伴い、保険に対するニーズも変わってきています。
そして時代のニーズに併せて、新たな保険商品の開発に力を入れている保険会社も多いです。
では最近の医療保険には具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
最近の医療保険には3つのトレンドがある
最近の医療保険には、大きく以下の3つの特徴があります。
1. 短期の入院保障が手厚い
2. 通院保障がついている
3.「循環器系」の疾患に対する保障がついている
以下で詳しく説明していきます。
1. 長期よりも短期の入院保障が手厚い
近年は医療技術の発達により、以前に比べて入院日数が短くなってきています。
そのため長期での入院保障よりも、短期でもしっかりとした保障される保険を選ぶ方がいいでしょう。
厚生労働省の病院報告によると、2020年3月時点の平均入院日数は27.9日です。
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同調査の1996年9月時点のデータでは、平均入院日数が44.3日ですので、入院日数が短縮しているといえます。
医療保険の入院保障には、1回の入院につき支払限度日数が定められています。
多くの場合、30日や60日、90日、120日で設定されることが多いです。
ところが近年の入院期間の短縮化により、支払限度日数は重要視されなくなってきたといえます。
そこでポイントとなることが、
です。
少し前の保険では、「5日以上入院した場合は、4日間の免責日数を設ける」など、短期の入院では保障されない保険商品も多くありました。
ところが最近ではこの免責日数をなくし、日帰り入院でも保障される保険商品も誕生しています。
特に以前は必ず入院をしていた病気でも、最近は通院で対応することも多くなりました。
そのため通院保障をしっかりつけておくことも大切です。
以下で詳しく見てみましょう。
2. 通院保障をつける人が増えてきた
通院の場合は入院保障では保障されないことが多いため、別途通院保障を付ける必要があります。
保障内容は
・ 退院1回につき60日間の通院まで
など、保険会社によってさまざまです。
また最近増えてきた「日帰り入院」を保障する保険も出てきています。
ただし通院保障は、「入院給付金が支払われる入院をした場合の、退院後の通院に限る」など条件がついている保険もあるため、事前に保障内容をよく確認しておきたいところです。
続いて保障される病気の種類についてのトレンドを見ていきましょう。
3.「循環器系」の疾患の保障が必要
厚生労働省の国民医療費の概況によると、2017年の傷病分類別の医療費は「循環器系の疾患」が最も多く、全体の19.7%を占めています。
そのため医療保険についても、循環器系の疾患に対する保障が」充実したものを選ぶといいでしょう。
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これまでの医療保険は、ガンや心筋梗塞などの三大疾病といわれる病気に対する保障が充実していました。
これらの病気は入院が長期間になることが多いため、三大疾病に特化した保険も多くあります。
確かに日本人の死亡原因第1位はガン、第2位は心疾患となっていますが、これはあくまで死亡要因ということです。
先述の厚生労働省の「国民医療費」のデータは、医療機関で保険診療の対象となる病気の治療に使われた費用を表しています。
つまり治療費は、
これらの病気に対する保障もしっかりとつけておくと安心できるでしょう。
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医療技術の進歩に併せて医療保険も見直し
近年は医療技術の発達が著しく、1年や2年という短期間でも大きく進歩していきます。
そのため以前は入院が長期化する病気が、最近では入院もしないということは珍しくありません。
つまり医療保険についても、医療技術の進歩に併せて見直しが常に必要になっているといえます。
医療保険は万が一の時にとても頼りになるためのものです。
しっかりと見直して、今後の人生を豊かにしていきましょう。(執筆者:福森 俊希)