「auじぶん銀行」や「住信SBIネット銀行」など窓口を設けず、低金利を実現する「ネット銀行」があります。
近年では、金利のみならず他の付帯サービスも充実しており、ニーズも高まってきています。
しかし、注文住宅を建築する際に限って言えば、あまり相性が良くありません。
理由は、ネット銀行のほとんどが「分割融資」をしていないからです。
分割融資が出来ないと、なぜ注文住宅に適していないのか説明していきましょう。
目次
注文住宅を建てる時の一般的な支払い方とは

注文住宅を建てるときに、家の代金は完了時に一括で支払うのではなく、分割支払いになることがほとんどです。
一部異なる住宅会社もあるものの、一般的には工事請負契約を交わした後に、
・ 上棟時(棟上げ)に「中間金」
・ 建物が完成してお引き渡しする時に「完了金」
を請求されます。
支払比率で言うと工事請負金額に対して、
・ 中間金30%
・ 完了金40%
のようになります。
例えば、工事請負金額が3,000万円だった場合、
・ 中間金900万円
・ 完了金1,200万円
民間の金融機関であれば、上記のように分割支払いを請求された場合も、融資対応をしてくれる所は比較的多くあります。
しかし、ネット銀行はこの「分割融資」を受け付けていないところがほとんどです。
「完了時の一括支払い」(上記の例だと完了時に3,000万円一括で融資をすること)でないと対応してくれず、その場合は住宅会社が認めてくれないことがあります。
なぜ注文住宅だと一括支払いは嫌がられるのか

注文住宅を手掛ける会社は、分割請求をするのが一般的です。
なぜなら、工事にかかる費用を事前に分割してもらった方が、資金繰りが良くなるからです。
前もって施主からもらったお金で、材料費や工事費を業者に支払えれば、手持ちのお金を捻出するリスクを抑えることが可能です。
住宅建築には大きなお金が動くので、各社ともそのような資金繰りには細心の注意を払っています。
そのため、完了時一括支払いを受け入れてくれる会社は少ないでしょう。
マンション・建売ならオススメ 注文住宅なら事前確認を
「じゃあ、ネット銀行が利用出来る機会は多くないの?」と思った方、はご安心ください。
注文住宅の支払いサイクルがネット銀行と相性が悪いだけであって、「分譲マンション」や「建売住宅」の購入は一括支払いなので対応可能です。
ネット銀行が分割融資をしていないことはあまり知られていません。
いざ、住宅会社と契約を交わすときに初めて知ると、銀行を変更しなければいけなくなることもあり何かと大変です。
注文住宅を建てる際に、ネット銀行をどうしても利用したい方は、事前に住宅会社に対応可能か確認をしてみましょう。(執筆者:椎名 隼人)