これから家づくりを検討される方は断熱性能が求められる時代になってきました。
もちろん、住宅購入を検討するなら「夏は涼しくて、冬は暖かい家」は誰しもかなえたい要望の1つではないでしょうか。
そんな中、今注目されているゼロエネルギー住宅という建物があります。
正式名称はZEH(ゼッチ)と呼ばれています。
何がゼロなのかというと、
・ 太陽光発電など自家発電によって「作り出すエネルギー」の
収支がプラスマイナスゼロになることを指します。
太陽光などで作った再生可能エネルギー – エアコンなどの消費エネルギー = 0
という式で表せます。
今回はこのZEHの特徴・メリットについて解説していきたいと思います。
目次
国が推進しているZEH
ZEH住宅は、経済産業省・国土交通省・環境省が推し進めているもので、国全体でエネルギー削減を目指す中で、住宅部門の削減案として導入されています。
具体的には、
・ 建物の断熱性能を高め、高効率の設備を導入することで「消費するエネルギーを減らす」
・ 太陽光発電などで「エネルギーを創出する」
この2点を実行することで家のエネルギー消費量をゼロにしようとしています。

2030年には「新築住宅全体の平均仕様」が目標
2018年に閣議決定された基本計画では、以下の目標を掲げています。
・ 2030年には新築住宅全体の平均でZEHの実現
ZEHを建てるメリットを説明します。
メリット1:快適性
ZEHは当然、性能の高い家になるので、冬場でも室内の温度低下は少なくなります。
一般的な住宅では、夜間に室温が10度以上低下する場合でも、ZEH相当レベルの家なら温度低下はその半分程度で済みます。
そして、高齢者に多いヒートショックのリスク軽減も期待できます。
これは部屋間の温度差によって心臓に与える負担が大きくなり、心臓発作などを引き起こす現象です。
性能の高い家になれば部屋全体が暖かくなるので、その危険性を抑えられます。
メリット2:ランニングコストの軽減
築30年以上の建物と比べて、一般社団法人 環境共創イニシアチブの調査によると、ZEH基準の建物では年間約16万円程度のコスト削減が見込めると言われています。
実際に筆者も昨年ZEH基準の建物に住み替えましたが、光熱費の合計金額が上記と同じくらい削減できています。

補助金活用も選択肢に
ランニングコストが削減できるのは嬉しいですが、やはりZEH基準の建物にすると初期費用が高くなるのも事実です。
実際には太陽光発電を設置しなければいけませんし、一般的には、ZEH基準をクリアするためにはおよそ150万円~200万円くらいのコスト増になる可能性があります。
しかし、今ならZEH支援策として補助金申請が可能です。
基準を満たして申請が認められれば、条件によって60万円以上の補助金を受けられます。

これから家づくりを検討される方は、快適に暮らせてランニングコストを抑えられるZEH住宅を検討してみてはいかがでしょうか。(執筆者:1級FP技能士 椎名 隼人)