ワンルームマンション投資は、通常パッケージ化された新築であれば20平方メートル台程度、中古であれば20平方メートル以下の狭小物を含めた物件が対象ということになると思います。
ただ物件を増やしていくうちに、新しいトレンドの物件に挑戦したい、もしくは物件自体の魅力がきっかけで、その範囲を増やしていきたいということになるかもしれません。
そこで今回は「SOHO」を取り上げてみたいと思います。
私の結論は、
・ すでにかなりの物件を増やした方
・ 借入金返済を含めて投資用不動産の資金繰りが一定程度安定した方
でないと難しいと感じています。
以下でその理由とその将来性を考えてみたいと思います。

目次
「SOHO」とは
「SOHO」は「Small Office Home Office」の略語です。
小さなオフィスや自宅を仕事場とする働き方や物件のことで、いわゆる「フリーランス」の方々向けの賃貸物件といってもいいか知れません。
マスコミではその件数も増えつつあるとされています。
有名なアメリカニューヨークのソーホー地区は、「South of Houston Street」の略語であり、「SOHO」物件とは無関係です。
「SOHO」の現状
東京は別でしょうが、通常われわれが目にする新築の投資用不動産物件の広告に「SOHO物件」としているケースは少ないと思います。
東京など大都市であれば新築での「SOHO」物件も売りに出されているようです。
しかし、全国的には居住用のみのワンルームマンションが大部分であり、例えば地方ですと中古物件を「SOHO」用として売り出しているケースがあるというのが現状のようです。
後で述べますが住居用のマンションを購入後、SOHOとしてリフォーム、賃貸するというのは、そのマンションの規約上難しい面が多く、あまりお勧めしません。
できるだけ最初からSOHOとして利用販売している物件への投資をお勧めします。
「SOHO」物件のメリット
「SOHO」物件は通常居住スペースのほかに事業用スペースがあるので、ワンルームマンションではありません。
物件自体の広さから言うとサラリーマンの投資物件としては価格的に十分検討できるものだと思います。
フリーランスの方々が利用するという前提で、事務所用との比較でそのメリット、デメリットをざっくりと考えてみましょう。
メリット1. 事務所費用が低く抑えられる
これは、フリーランスとして事務所を構える場合に、それと比べて賃料が安く抑えられるケースがほとんどであるということです。
ひとつ屋根の下で賃料以外の光熱費等も自宅と共通ですので当然です。
事務所用だと賃料の数か月分の保証金等が必要になる場合が多く、それが不要なのもメリットです。
メリット2. 事務所物件では基本的にできない宿泊等が可能である
事業用の契約や保険ですと、日常的な生活や寝泊まりはできないことになっているケースがほとんどであるため、長時間の業務となっても対応しやすいということです。
メリット3. あくまで主契約は居住用
あくまで主契約は居住用なので、賃料に消費税がかかりません。
「SOHO」物件のデメリット

デメリット1. 業務用看板等の設置ができない
該当マンションの規約などによって事業用看板や郵便受けの表示などが制限を受けることが多いのです。
デメリット2. 不特定多数の来客がある業種は制限を受ける
不特定多数の人間が出入りすると、周りの住民からの苦情が出やすく、マンションの規約からも禁止されているケースもあります。
デメリット3. 使い勝手が悪い場合がある
プライベート空間を来客者が通るとか、事務用機器と家庭用電圧があっていない等ビジネス向きではないケースもあります。
デメリット4. 法人登記ができない
事務所用と違い法人登記ができません。
今後のトレンドとしては可能性大
SOHO物件は面積もワンルームマンションよりやや大きく、投資額も大きくなりがちです。
また需要の面からもフリーランスの一部の方々が対象ということで、まだワンルームマンションには遠く及ばないところだと思います。
ですから不動産投資として初めから購入する物件としては以上のように難しい面が多く、お勧めしません。
ただ時代はマスコミで副業を頻繁に取り上げているように、今後、若い人を中心に個人事業主(フリーランス)用の不動産需要も一定程度高くなることが十分に予想できます。
難しい面はあるものの、不動産業者とも相談しながら中古物件をSOHO用にリノベーションして賃貸するケースなどは、今後のトレンドとしては可能性が感じられます。
物件を増やしていく上で、検討する価値は十分あると思います。(執筆者:不動産投資歴16年 堀江 優)