私たちが、新型コロナウイルス感染症を知ってから、もう半年以上が経ちました。
終息の気配が見えない状況に不安を感じながらも、なんとか動いているという人も多いのではないでしょうか。
そんな中、2020年9月1日に「新型コロナウイルス感染症の入院で給付金額が倍」になる保険が発売されました。
これまでにあった一般的な医療保険でも、新型コロナウイルス感染症治療のための入院は「給付金の支給対象」でしたが、新型コロナウイルス感染症の治療だからと「給付金額が増える」ものは、これまでにありませんでした。
今回は、業界初の「感染症プラス入院一時金保険」について、詳しく解説します。
目次
新型コロナウイルス感染症の治療はいくら?
新型コロナウィルス感染症は、感染症法に基く「指定感染症」と検疫法に基く「検疫感染症」に指定されています(2020年9月1日現在)。
万が一感染した場合の治療費は公費負担のため、国が支払ってくれます。
生命保険の給付金は、実際にいくら支払ったかは問われない
民間の医療保険では「ケガや病気で入院し、治療を行ったこと」を基準として給付金を支払うものがほとんどです。
治療のための入院であれば、病名や「実際にいくら払ったか」は問われません。
同時に、支払われた給付金を「何に使ったか」も問われないのです。
太陽生命保険から新型コロナウイルス感染症に特化した保険
「感染症プラス入院一時金保険」は、国内中堅保険会社である太陽生命が扱う医療保険です。
その名の通り、入院一時金に特化していて、なんと日帰り入院で最高20万円もの給付金を受け取れる保険です。
新型コロナウイルス感染症で入院すると、入院一時金が最高40万円
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【保障プラン】
感染症プラス入院一時金保険:入院一時金20万円+災害入院一時金20万円
【給付の例】
通常の病気治療で入院した場合は、「入院一時金20万円」が給付されます。
もし、新型コロナウイルス感染症の治療で入院した場合は「入院一時金20万円+災害入院一時金20万円=40万円」を受け取れます。
単純計算で、「入院日額5,000円」の80日分にも相当する金額です。
よけいな保障がない分、保険料は格安
上記プランの保険料例を見ると、
・ 30歳男性で2,680円
・ 40歳女性で3,140円
と格安になっています。
50歳の場合も、
・ 男性4,700円
・ 女性3,800円
です。
お手持ちの入院日額を削ってでも、備えておきたい保険でしょう。
「感染症プラス入院一時金保険」の保障の仕組み
保障はシンプルに「入院一時金」のみ、入院日額はついていません(組み合わせることも、可能)。
最高で20万円まで設定できます。
以前にも、「生活習慣病一時金保険」や「女性入院一時金保険」と組み合わせることで、生活習慣病あるいは女性特有の病気での入院一時金を「倍額」にできると紹介した保険です。
今回、新型コロナウイルス感染症を保障対象とした「災害入院一時金」が新発売されたことで、「倍額」のパターンが3通りに増えたということです。
自宅療養でも給付金がもらえる
新型コロナウイルス感染症の場合、症状の有無やそれぞれの地域の医療機関事情などにより、医療機関への入院ではなく、指定の宿泊施設や自宅での療養をする可能性があります。
前回の記事を執筆した時点では、まだその場合の対応が決まっていませんでしたが、その後多くの保険会社が「病院以外でも支払い対象とする」旨を発表しました。
「感染症プラス入院一時金保険」でも、新型コロナウイルス感染症で陽性だと診断された場合、療養先が病院でも宿泊施設でも自宅でも、約束通りの金額で給付金が支払われます。
対象となる感染症
新型コロナウイルス感染症だけでなく、以下の感染症を原因とする入院も対象となります。
腸管出血性大腸菌感染症(O-157など)・コレラ・パラチフスA・ジフテリア・ラッサ熱・マールブルグウイルス病・痘瘡・腸チフス・ペスト・細菌性赤痢・ポリオ・クリミアコンゴ出血熱・エボラウイルス病・SARS
ケガでも一時金が出る
感染症に対する保障部分は、交通事故やケガでの入院も支払い対象となります。
ケガでの入院は長くなることが少なくないですが、入院生活が始まった時点で40万円もの給付金を受け取れる保険はそう多くはありません。
自動車や自転車に乗る回数が多い人、スポーツを楽しむ人などにも、おすすめです。
「感染症プラス入院一時金保険」のメリット
よけいな保障を捨てて、必要な保障だけに絞れる
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「感染症プラス入院一時金保険」は太陽生命保険で販売しているさまざまな保障と組み合わせることが可能です。
ネット契約ではプランニングに制限がありますが、営業職員を通じて加入すると個々に合わせた微調整で、さらに無駄を省けます。
入院日額や通院保障を手放す
通常の入院でも、20万円の一時金が受け取れるならば、通院保障は不要です。
入院日額保障も、なくすか3,000円程度まで減額していいでしょう。
がん保障や介護保障などと組み合わせる
がんや生活習慣病での治療に特化した保険、あるいは介護保障・就業不能保障と組み合わせると、入院一時金では保障しきれない部分もカバーできます。
「無駄なく、安心感のある保険」になるでしょう。
「感染症プラス入院一時金保険」のデメリット
保障の期間や範囲に注意
入院一時金の支払いには、「20回まで」という上限があります。
一般的には、20回も入院しない人の方が多いでしょうが、こればかりは断言できません。
余裕があるのなら、他の保障を残しておくと安心です。
他にも、「期間」や「範囲」に関するデメリットがいくつかあるので、把握しておくことが大切です。
政府が定める「指定感染症」から外れると、対象外になる
新型コロナウイルス感染症とは、「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令(令和2年政令第11号)第1条」に定めるものを指します。
今後、指定が解除される可能性もあります。
その場合、指定感染症から外れたものは保障対象外となりますが、入院治療を行った場合、通常の入院一時金は支払われます。
指定感染症から外されるときは、新型コロナウイルス感染症について、何らかの進展があったときだと考えられます。
このデメリットについては、あまり気にしなくてもよさそうです。
発病タイミングによっては、支払われないことがある
契約を結び、保障が始まった日(責任開始日)から10日以内に発病した感染症は、災害入院一時金の支払い対象外となります。
通常の入院一時金は支払われます。
全ての保険に言えることですが、体調に不安を感じてからの加入では遅いです。
健康に問題ないときから備えておきましょう。
自分に合った保険でムダをなくす
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新しい生活様式ができたように、新しいニーズが生まれ、新しい保障が出てきました。
保険は年に1度の見直しが必要と言われます。
「今必要なもの」をしっかりと見極め、無駄のない保険に加入してください。(執筆者:仲村 希)
参照:
太陽生命保険株式会社「保険組曲Best「入院重点プラン感染症プラス」
太陽生命保険株式会社「保険組曲Best「入院重点プラン感染症プラス」と「先進医療保険」の取扱開始」
太陽生命保険株式会社ニュースリリース「対象生命、新型コロナウイルス感染症も保障する 感染症プラス入院一時金保険を新発売(pdf)」