マイホームは、多くの方にとって一度きりの人生で最も高価な買い物です。
購入資金や返済計画など購入にあたって検討すべき課題が山積し、住宅展示場などではファイナンシャルプランナーがマイホーム購入にまつわる相談を受け付けるケースすらあります。
また、マイホームを取り巻く環境は、2020年に新型コロナウイルスの世界的な流行によって大きな変化を迎えています。
今回は、ウィズコロナ時代のマイホーム購入について解説していきます。

目次
コロナ禍で変化したマイホームに求めるもの
と思われるかもしれませんが、現在もマイホームの購入は止まっていません。
特にテレワークの導入によって職住近接の必要性が薄れたため、人気であった都内のマンションからワーキングスペースが確保しやすい狭小邸宅や郊外の比較的広い物件が好まれるようになるなど、ウィズコロナ時代に即したニーズが生まれてきています。
そもそも住宅ローンの返済期間は最長35年にも及ぶため、定年退職後に住宅ローンを残さないようにするには購入タイミングにリミットがあります。
たとえコロナ禍で市況が厳しい状態であってもマイホーム購入に舵を切らざるを得ない場合もあります。
浮き彫りになった住宅ローンのリスク
2020年6月の完全失業率は2.8%に悪化しました。
コロナ禍によって多くの方が失職したり、時短勤務やシフト削減による収入減少によって住宅ローンの返済が滞るケースが出始めています。
マイホームの購入に時間的猶予がないとは言え、激変が予想される景気環境下でコロナ禍前と同じ基準でマイホームを購入してしまうとリスクが伴います。
ウィズコロナ時代のマイホーム購入は、倒産による失職や自宅待機による収入減などのリスクを想定することが重要です。
リスクへの対策

そのための対策としては、
・ 世帯年収の30~35%と言われている返済比率を20%程度まで落とす
・ 不景気による業績悪化を想定してボーナス払いは設定せず、月々の給料から返済する
ことなどが考えられます。
これらを満たすには、マイホーム購入費用をできるだけ抑えることが有効です。
そして、マイホーム購入費用の節約するには
・ 中古住宅
を購入するのが賢明です。
ただし、中古住宅は品質のバラつきが大きいため、
・ ホームインスペクションを活用して物件の問題点を把握する
・ 中古住宅の売主が個人の場合には、既存住宅売買瑕疵保険を活用して補修費用の用意しておく
必要があります。
金額上のメリットよりも滞りなく返済する備えを優先
ウィズコロナ時代の到来で生活のさまざまな局面が変化を余儀なくされていますが、マイホームの購入もそのひとつです。
コロナ禍以前に比べて収入減少のリスクが高まり、返済比率の抑制や頭金割合を見直すために中古住宅を購入するなどの対策が必要です。
頭金の減少は総支払額の上昇も招いてしまうもろ刃の剣ですが、今後は金額上のメリットよりも住宅ローンを滞りなく返済するための備えを優先していく必要があります。(執筆者:菊原 浩司)