子供の大学進学は子育ての中でも1番といっていいほど、お金のかかります。
基本的に国公立大学の学費は安く私立大学の学費は高いと言われていますが、実際、一概には比較することが難しい費用の差。
両方において、自宅通いなら文句なしで国公立大学への進学が安くなることは間違いありません。
しかし、自宅外となった場合は、どうなのでしょう。
自宅外となっても国公立大学に進学させた方が負担を軽減させることはできるのでしょうか。
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目次
国公立大学の学費
国公立大学の学費は文系、理系に関係なく同じ学費となる点が大きなポイントです。
・ 授業料(4年間):214万3,200円
・ 入学料:28万2,000円
・ 合計:242万5,200円 (別途、施設費や実習費が必要な場合あり)
・ 授業料(4年間):215万4,532円
・ 入学料:39万3,618円
・ 合計:254万8,150円 (別途、施設費や実習費が必要な場合あり)
国立大学と公立大学とでは、4年間で10万円ほどの差があります。
私立大学の学費(平成30年度の平均的な授業料)
私立大学の場合は、文系、理系で学費が異なります。
・ 授業料(4年間)314万2,324円
・ 入学料 22万9,997円
・ 施設設備費 60万5,376円
・ 合計 397万7,697円
・ 授業料(4年間)442万2,464円
・ 入学料 25万4,309円
・ 施設設備費 74万152円
・ 合計 541万6,925円
参照:マイナビ学生の窓口
自宅通いに必要な大学生の生活費
自宅通いの場合、実質、家賃や光熱費などの負担は今までとかわりません。
ただし、自宅通いの場合、交通費の負担割合が大きくなる傾向があります。
大学に自宅から通うとなると、長距離の移動が必要になる場合があるためです。
とは言っても定期は学割がきくうえに1年間分をまとめて購入すれば、月ごとの購入よりも金銭的な負担の軽減が実現します。
自宅外通いに必要な大学生の生活費
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自宅外通いの場合、家賃を除く生活費の平均が7万円となります。
食費に3万円ほど必要になり、そのほか、水道光熱費や通信費、交際費などを含め7万円となります。
その上で家賃が必要となり、東京都内の場合、1Rでも6万円から8万円ほど必要です。
ただし、家賃は進学する大学の地域によって大きく異なります。
自宅外通いの大学生に送る仕送りの平均は学費以外で毎月7万円が相場となります。
もちろん、この金額も進学する大学の地域によって、また、学生寮に暮らす場合などは減額することも可能です。
自宅通いと自宅外通いの差
以上の結果から、
学費だけで比較した場合
・ 理系の場合、国公立大学と私立大学の差は私立大学がプラス約290万円
となります。
生活費で比較した場合は下記の通りです。
自宅通い:定期代が必要になるものの、実質、高校までの生活費と大きく変化しない
自宅外通い:月平均7万円の仕送りが必要となり年間84万円、4年間で336万円必要
この結果を元に「自宅通いの私立と下宿が必要な国公立は実際、どちらが安い?」という結果を考えると、下記の答えが導き出されます。
【文系の大学に進学した場合】
国公立大学と私立大学の学費の差
約150万円 ― 4年間の仕送り平均336万円=-186万円
=私立大学の方が186万円安く済ませることが可能。
【理系の大学に進学した場合】
国公立大学と私立大学の学費の差
約290万円 ― 4年間の仕送り平均336万円=-46万円
=自宅通いの私立大学の方が46万円安く済ませることが可能。
仕送りは平均額です。
子供のバイト代や奨学金などによって下げることは可能です。
また、医学部や薬学部など6年間通う必要があり、学費も高額になるため、一概に自宅通いの私立の方が安いとは言い切れません。
必費用だけで決めてはいけない
結果的には、自宅通いの私立大学の方が費用の負担を安く済ませることができるということになりました。
特に文系の場合は大きな差となります。
しかし、大学はそれだけで決めるものでもありません。
そのため、親子で十分に話し合ったうえで進学先を決めることをお勧めします。(執筆者:上野 雅美)