これから結婚式を挙げようというときに、「キャンセルの可能性」について考える人は少ないでしょう。
しかし、結婚式直前に新郎が感染症にかかったり、自宅などが台風被害に遭ってしまったり、親が入院してしまったりしたら、結婚式どころではなくなります。
今回は、結婚式に特化した保険をくわしくご紹介します。
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目次
結婚式保険とは
あそしあ少額短期保険で扱っている「結婚式保険」とは、その名の通り結婚式にまつわるアクシデントに対応する保険です。
補償内容は「式場キャンセル補償」と「挙式当日補償」に分かれています。
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結婚式当日までの「キャンセル補償」
予定していた結婚式を中止すると、キャンセル料がかかります。
一般的に、本番が近づくほどキャンセル料も高くなっていき、当日になると見積費用と同額の支払いが必要です。
状況が改善しても、数百万円もの結婚式費用を再度捻出することは難しいでしょう。
そんなときに役立つのが「キャンセル補償」です。
新郎新婦や親族の入院・死亡などに備える
・ 新郎新婦の、死亡・7日以上の継続入院・医師による結婚式当日の自宅待機指示
・ 新郎新婦の親・子の、死亡・7日以上の継続入院
・ 新郎新婦の兄弟姉妹の、死亡
この場合の「7日以上の継続入院」や「当日の自宅待機指示」には、新型コロナウイルス感染症に罹患した場合も含まれます。
また、新婦が妊娠している場合でも加入でき、悪阻や切迫流産での入院や安静(自宅待機)が指示された場合なども補償対象となります。
特に妊娠中の体調は変化しやすいです。
無理をして大事に至る前に「キャンセル」が検討できるというだけでも、有意義な保険ではないでしょうか。
新郎新婦の新居の損壊などに備える
下記の自然災害により、新郎新婦が居住する家屋・家財が所定の損害を受けた場合の修理費用などを補填します。
・ 自然災害:火災・破裂・爆発・風災・水災・雪災・地震等
近年の台風や大雨被害の大きさを考えると、備えておく安心感はあるでしょう。
補償限度額によって選べる3つの補償プラン
プランB.キャンセル補償限度額500万円 保険料3万円
プランC.キャンセル補償限度額150万円 保険料1万円
実際に支払うことになったキャンセル料相当額の保険金を受け取れます。
生命保険のように「あらかじめ約束した金額が支払われる」タイプの保険ではなく、「実際の損害に応じた保険金が支払われる」タイプの保険です。
結婚式の見積金額に合わせたプランを選びましょう。
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保障金額が変わる条件に注意
式場に支払うキャンセル料は、「キャンセルを申し出て、成立した日」を基準に計算するのが一般的です。
しかしながら、保険金支払基準日は「キャンセルの原因が起こった日(原因発生日)」です。
例えば、新婦の母親が結婚式2か月前に入院していて、当初は1か月程度で退院の予定だったが長引いてしまった場合などは「キャンセル成立日」と「キャンセル原因発生日」が大きくズレる可能性があります。
もっとも、「補償があるからこそ、ギリギリまで悩まずに、早めにキャンセルの決断ができる」ということもあるでしょう。
挙式当日の「損害補償」
無事に結婚式当日を迎えることができても、油断はできません。
結婚披露宴は、お祝いムードで高揚し、お酒が入り、入れ代わり立ち代わり余興を披露することが多い場のため、アクシデントが起こりやすい環境ではないでしょうか。
これまでに出席した結婚式で、友人席の酔客が悪ふざけをしたり、退屈した親族の子どもが走り回ったり、ヒヤリとする場面を見たことがある人も少なくないでしょう。
式場の設備・備品を壊してしまった場合の補償
・修理費用補償金(式場設備・備品)補償限度額100万円
万が一、金屏風を倒してしまったり、プロジェクターなどの映像装置・音響装置を壊してしまったり、壁や絨毯を汚してしまったりして損害賠償が発生した場合の補償です。
貸衣装を汚したり破いてしまったりした場合の補償
・修理費用保証金(貸衣装)補償限度額30万円
レンタル衣装は必ずクリーニングするため、多少の汚れなら修理費用を請求されることはありません。
例えば、「緊張で手が震え白ドレスにワインをこぼしてしまった」、「ベールやスカートを引っかけて破いてしまった」など、想定以上の汚損・破損で損害賠償が発生した場合の補償です。
購入した衣装や友人から借りた装飾品などは、対象外です。
招待客が救急搬送されたときの見舞金
・招待客救急搬送見舞費用保険金 1名につき1万円(最高20名まで)
体調の急変・発病だけでなく、「急性アルコール中毒」も対象です。
ただし、式場からの救急搬送に限ります。
結婚式当日中に、新郎または新婦が入院したときの補償
・新郎新婦入院一時金 1名につき10万円(新郎新婦ともに入院した場合20万円)
新郎新婦の場合は、式が終わってからの入院も含みます。
ケガや病気、急性アルコール中毒のほか、新婦の分娩の兆候を伴う出産にも対応しています。
当日補償は、全プラン共通
当日の損害補償や入院一時金・見舞金の保険金額は、全プラン共通です。
ただし、プランA以外は、「修理費用保険金」に対して自己負担額3万円が差し引かれます。
結婚式保険のメリット・デメリット
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結婚式は、一般的に半年以上前から準備が始まります。
どんなに気をつけていても、当日の体調や天候まではわかりません。
「幸せなイベントで、キャンセル料や損害費用のことを考えなくていい」ということが、なによりのメリットでしょう。
結婚式保険で注意すること
デメリットと呼ぶほどではありませんが、補償対象外の項目には注意が必要です。
キャンセル料補償に含まれない費用がある
特注品や別途購入しているもの、例えば引き出物に「名入れ」の商品を選んでいて既に作り始めている場合などは、キャンセルができません。
また、その購入費用はキャンセル補償の対象外となります。
当然ですが、被保険者の犯罪行為・違法行為等によるキャンセルは補償されません。
また、破局や破談によるキャンセルも対象外です。
新型コロナウイルス感染症の自宅待機は、新郎新婦しか適用されない
新型コロナウイルス感染症での「7日以上の継続入院」については、新郎新婦・親・子が補償対象となります。
ただし、「自宅待機」は、新郎新婦以外は補償されていません。
例えば、新郎新婦の同居家族が罹患した場合、新郎新婦も濃厚接触者となりますが、「罹患していない場合の自宅待機」も保障対象外です。(2020年9月現在の情報です)
新型コロナウイルス感染症については、状況の変化によって改訂される場合も想定されます。
利用の際は保険会社や代理店等に最新の情報を確認してください。
結婚式場でのサービスも確認すべき
結婚式場によっては、同様の補償サービスを独自に設けているところもあります。
サービスと重複して保険に加入する必要はないでしょう。
検討時に、確認しておきましょう。
幸せな一日を守るために
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結婚式を考える当人たちは、少しの費用でも節約あるいは結婚式そのものにかけたいと思うかもしれません。
そんなときは、ご家族から保険料をプレゼントするのもひとつの手段です。
幸せな時間を補償する「お守り」として、考えてみてください。(執筆者:仲村 希)