調剤薬局で処方してもらう薬の価格は、同一でありません。
処方薬の支払いは、ちょっとした工夫次第で価格を抑えることが可能です。
そのなかでも最も周知されているのはジェネリック薬品への切り替えですが、それ以外にも節約できる方法がいくつか存在します。
そこで、今回は処方薬代を節約するための4つの裏技についてご紹介します。

目次
【裏技1】おくすり手帳を忘れずに持参する
おくすり手帳を持参すると、支払金額も変わってくるのは知っていますか。
忘れた場合でも処方は可能ですが、ぜひ節約のためにも持参するように意識しましょう。
薬剤服用歴管理指導料を低くする
おくすり手帳は、他院で処方されている薬剤と併用できるかのチェックや、アレルギー・病歴の確認等において役立つため、薬を処方してもらう際持参するよう推奨されています。
しかし、おくすり手帳の役割はそれだけではありません。
薬局によっても多少差がありますが、おくすり手帳を持参していくと薬剤服用歴管理指導料と呼ばれる項目の点数が低くなるため、2回目以降の再訪であれば3割負担の方で最大40円割り引かれる仕組みとなっています。
一回の金額はわずかな額ではあるものの、月1回定期通院している場合であれば1年で約500円の差となるため、忘れずに持参するようにしましょう。
ただし、薬代が割り引かれるのは同じ薬局において薬を受け取った日から原則3か月以内の再訪に限ります。
以前までは6か月以内とされていましたが、2020年より改定となっているため注意してください。
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残薬確認が可能となる
おくすり手帳には服用している薬の情報が記載されているため、処方日から起算してどれぐらいの薬がいま手元に残っているのかの残薬チェックも可能です。
医師や薬剤師におくすり手帳をもとに残薬を伝えれば、処方する薬の量を調節してもらったり、新たな薬の処方を控えたりもできるため、薬代の節約にもつながります。
【裏技2】門内薬局や大手チェーンの薬局を選ぶ
門内薬局とは大きな病院の敷地内になる薬局のことを言い、門前薬局とは大きな病院の近くに位置している薬局を指します。
どちらも、主にその病院の処方箋に対応しているのが特徴です。
薬局で請求される金額のなかには、薬自体の価格のほかに調剤基本料なども含まれていますが、実はこの調剤基本術料は薬局によって異なります。
そして、一般的には門内薬局や門前薬局のほうが、住宅街にあるような薬局より安く設定されている傾向にあります。
門前薬局は処方箋1枚あたり30円ほど(3割負担の場合)、門前薬局は80円ほどの設定となっているのに対し、住宅街にあるような薬局の調剤基本料は120円ほどと少し割高です。
また最近は大手チェーンの門前薬局も増えてきていますが、調剤基本料は50~60円ほどとなっています。
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上の表を参考に、いつも利用している薬局がどの位置付けなのか明細書を確認してみてください。
【裏技3】時間外での利用はなるべく避ける
夜間や休日に調剤薬局を利用した場合、時間外加算として薬代が120円(3割負担の場合)増える仕組みとなっています。
夜間の取り決めは次の通りです。
・ 営業時間内:夜19:00(土曜日は午後13:00)から翌朝8:00
・ 営業時間外:夜18:00~翌朝8:00(※うち夜22:00~翌朝6:00は深夜扱いとなる)
また休日は、日曜と祝日に加え年末年始(12/29~1/3)を指します。
参照:スギ薬局
病院によっては平日でも18時半や19:00まで営業していたり、土曜13:00まで受け付けていたりするところも多いですが、この場合ギリギリに受診してしまうと、薬局で時間外加算が獲られてしまうケースもあるかもしれません。
この場合、急ぎでなければ翌日に再訪するのも方法です。
【裏技4】一包化をやめてみる

1度に複数の薬を飲まなければいけない場合、飲み忘れてしまったり同じ薬を重複して飲んでしまったりする可能性も否めません。
そんなリスクを防ぐため、調剤薬局では複数の薬をひとつにまとめる一包化が行われています。
しかし、一包化するには手間が必要です。
ゆえに通常の費用に「一包化加算」という名目で手数料が加算される仕組みとなっています。
一包化は飲み忘れ防止や、患者側の手間の軽減等の目的で行われていますが、その心配がないのにも関わらず一包化されているのであれば、医師に相談してみるとよいでしょう。
ちなみに一包化加算は通常7日ごとに32点分(320円)加算されるようになっていますが、43日以上となると一律で220点(2,200円)の加算となります。
そのため、1度に多くの量を処方してもらえるのであれば、薬代の節約にもつながるでしょう。
次回の利用からさっそく実践しよう
ここで紹介した4つの方法はどれもすぐに実践できる簡単なものばかりでしたが、意外と知らなかったという人も多いのではないでしょうか。
どれもそれぞれの金額は大きなものではありませんが、定期的に通院している場合積み重なるとそれなりの金額となります。
ぜひ今一度調剤薬局の利用方法について考えてみてください。(執筆者:元銀行員 吉村 みき子)