「家づくりを始めよう」と思い、近くの住宅展示場を見に行くとハウスメーカーのモデルハウスがとても立派で、購買意欲が高まります。
しかし、普段から住宅の提案をしている筆者のもとには「ハウスメーカーの建物は軒並みコストが高く、なかなか手が出せない」という声も届いております。
今回は、「なぜハウスメーカーの建物が高いのか?」という素朴な疑問に答えていきます。

目次
高くなる要素1. プラン作成・敷地調査が無料
住宅展示場に足を運ぶ際に、すでに土地を持たれている場合には要注意です。
ハウスメーカーの営業マンから
「契約するしないにかかわらず敷地を調査させてください」
などと提案されるケースが多いと思います。
しかも、全て無料です。
一見すると、自分たちの家のイメージが分かるように迅速にプランを作ってくれることはありがたいと思えることでしょう。
高くなる要素2. 子どもたちが楽しめるイベント多数の豪勢な展示場
住宅展示場では子どもたちが喜ぶ「アンパンマンショー」などのイベントも定期的に開催しています。
「家を見るつもりはなかったけど…」という方もそれをきっかけに自然とモデルハウスで接客を受けている風景が多く見られます。
広々とした空間で豪華な設備機器が並ぶモデルハウスは総工事費が数千万円だと言われています。
無料のツケが結果として販売価格に反映

プランを作成するにも、イベントを開催するにも人件費はかかっています。
敷地調査をするのはその会社の人間ではなく、調査会社に外注するケースがほとんどなのでその費用もかかってきます。
アンパンマンショーなどのイベントにも設営費がかかりますし、モデルハウスの維持費も安くはありません。
これらのコストは来場者や住宅検討者に直接的に請求することはありません。
しかし、企業としてはこれらのコストを回収して利益を出さなければなりません。
では、誰から回収するのでしょうか。
それは、家づくりを決めてくれた「契約者」からです。
当然のことながら、その契約者に提出された見積書には「〇〇さん(他人)のプラン代」「アンパンマンショー代」などという記載はありません。
しかし、これらのコストは住宅購入を決めてくれた契約者からでないと回収できませんので、契約金額に含まれています。
これが住宅展示場に出店しているハウスメーカーの金額が高くなる理由です。
適正金額で家づくりをするなら費用を払ってプラン作成
これらのコストを理解したうえでハウスメーカーを選択するものよいと思います。
しかし、適正な金額で家づくりをしたいという方には、プラン作成や敷地調査などの費用をしっかりと請求する住宅会社をおすすめします。
もちろん、費用がかかりますが余分なコストが上乗せされていないという裏返しでもあります。
その点も踏まえて、家づくりを検討してみてください。(執筆者:1級FP技能士 椎名 隼人)