筆者の株式投資は今年で8年目になります。
これまで順調に資産を積み重ねてきて今年は大台である1億円を超えてきました。
株式投資をするうえで注目していた銘柄を買うタイミングを見逃して買えなかったなどといった細かい失敗は今でもあります。
しかし、最近は長期的な分散投資を始めたので買いのタイミングをじっくりと考えることで大きな失敗というのは少なくなりました。
順調に資産を積み重ねてきた私もこれまで多くの失敗を繰り返して、その過程でたくさんのことを学んできました。
その中で私も含めた個人投資家がよく陥りがちな失敗の事例と私流リカバリー法を紹介したいと思います。

目次
ブームにのり買い時をミスる
株式投資においてブームというのは常に訪れます。
2016年の8月に東宝で上映された「君の名は」は空前のヒット作となりました。
私も当時30代後半でしたが、海外出張中での行きと帰りの飛行機で年甲斐もなく2回も見た映画であり、勝手ながらヒットの予感を感じていました。
翌年の7月には日本における歴代興行収入の4位にランクインとの発表もあり一種のブームを感じつつ購入した東宝の株式は、いったんは上昇するものの株式市場でのピークはすでに迎えていて発表から1か月後には同社株も売られ始めたのです。
映画も見ずに客観的に捉えていればまだよかったのですが、自分も映画をじかに見てその面白さを感じていたブームの中で冷静さを欠いた購入タイミングがこの失敗の原因だったといえます。
リカバリー法
ということです。
株式市場の情報はとてつもなく早く、一般にニュースが出回った時にはすでに株価が短期的に上昇しきっていることが多々あります。
「鬼滅の刃」の劇場版が今秋に公開されましたが「東宝の株価が上がるのを分かっていながらも買えない」という個人投資家もいたことでしょう。
残念ながら私もその1人です。映画が大ヒットを記録しているというニュースはすでに多くの人々に知れ渡っていて、短期的には株価は高値圏と言ってよい状態です。
以前の私であれば購入を検討していたところですが、過去の失敗に学んで今回は諦めることにしました。
「ブームを横目に見て投資を見送る」これも失敗から学んだ改善法と言えます。
市場後退からの恐怖心で損切を早まる
「損切はルールを持って早めに」とよく言われます。
私は損切の絶対的なルール(何%下回ったら損切する等)は用いていませんが、
ようにしています。
今回のコロナ禍の影響で私の持ち株も-20%を下回った株が一部でたのですが、いったんは暴落の様子を伺いつつ損切は考えていませんでした。
しかし、コロナ禍での連日の下げはかなりきつく、最終的には今後の展望が乏しいと思われた銘柄を数銘柄損切することにしました。
その中でも失敗したのが四国を地盤とした地方スーパー銘柄の「フジ(8278)」です。
地方の人口流出、高齢化もあり地方スーパーは現在課題がある事業となっています。
それを反映するように同社の売上は伸びもせず、落ちもせずにある意味では安定的な銘柄でした。
コロナ禍で一時期3割近くも値が落ちて将来的な見込みが薄かったことから損切をすることにしました。
しかし、コロナ禍で外出自粛、外食需要が急激に減った反動でスーパーへと顧客が殺到することになったのです。
同社を含めたスーパー株は軒並み急騰し、「フジ」の株価も底値から2週間という短期間で150%近くも値上がりした時にはすでに遅しです。
となりました。

リカバリー法
今回、「フジ」の個別銘柄の損切には失敗しました。しかし、コロナショックのような景気後退時には損切というのも戦略的に仕方のない部分はあります。
そこで、私が行ったリカバリー法は
ことです。
こうすることで市場の暴落による損切でいったんは損をするものの、市場が落ち着きを取り戻して株価が回復した時点で損切と同時期に購入した同業種の銘柄が上がってリスクヘッジができる可能性があるというわけです。
今回はこの方法が大成功して、「フジ」の損切り以上に「リテールパートナーズ」での利益が出る結果となりました。
株式投資は失敗から学ぶことも重要
株式投資をやっていると失敗はつきものですが、失敗に関して常に見直しを入れて、リカバリー法を考えることが後々の投資に役立ってきます。
これは仕事においても同様ですが、株式投資も常にトライアンドエラーの連続です。
失敗もポシティブに捉えつつ、学びの場となれば楽しい投資もできることでしょう。
なお、投資の判断はご自身でご確認のうえでお願いします。(執筆者:株式投資で運用資産1億、セミリタイアを実現 松安 たいき)