東証1部上場企業は執筆時点で、2,179社あります。
さらに東証2部やマザーズなどの上場企業を含めると総数は3,731社です。
このたくさんの中から、投資をしたいと思える企業を選ぶにはさまざまな情報収集が必要ですが「株主構成」も大切な情報の1つと言えます。
今回は、東証1部20万円以下(執筆時)12月株主優待権利確定、持ち株比率50%がキーワードとなる企業3社をご紹介します。

目次
株主構成と持ち株比率50%の意味の大きさ
株主構成とは、株主が誰であるか、またはどの企業・団体であるかを示したもので、会社四季報や企業のホームページで確認できます。
基本的には、持ち株比率の高い順に上位10位までの個人、企業、団体が記載されます。
例えば、ある企業の発行済み株式の50%を保有する株主は、持ち株比率が50%です。
持ち株比率50%の場合、役員報酬の変更や剰余金配当の変更といった、株主総会での普通決議を単独で可決できる、非常に強い力を持ちます。
意思決定権を持つ側と持たれる側、企業の経営にとって重要な持ち株比率が50%です。
1. 今回限りの記念株主優待を特別実施する「ユニカフェ(2597)」

「ユニカフェ」(2597)はレストランやカフェなどで提供される業務用コーヒーや、缶コーヒー、ペットボトルなどに使われる工業用コーヒーなどを製造、販売する企業です。
コロナ禍で外食産業向けコーヒーの出荷が減り、売上に影響が出ました。
このような中で迎える来期の第50期にもかかわらず、株主向けに「第50期記念株主優待」を実施することが決まっています。
ユニカフェの株式の52%は親会社であるユーシーシーホールディングス株式会社(非上場)が保有しています。
そして、ユーシーシーホールディングス株式会社の株式の55%を保有しているのが、上島豪太代表取締役社長です。
今回、ユニカフェで実施する記念株主優待は、上島代表取締役社長率いる親会社の意向も反映されているのかもしれません。
株主優待品は通常100株で2,000円相当の自社商品が贈られていました。
第50期記念株主優待の今回のみ、3,000円相当の自社商品です。
参照:UCCホールディングス
2. アークランドサービスホールディングス(3085)

とんかつ専門店「かつや」を運営する「アークランドサービスホールディングス(3085)」親会社は話題になったあの企業です。
オレンジ色の縁取りに筆文字の看板が目立つ「かつや」を始め、から揚げ専門店「からやま」や、「肉めし岡むら屋」など外食サービスを幅広く展開する企業です。
他の外食サービス業と同様にコロナ禍の影響を受けていますが、10月度の「かつや」の売上高は前年同月比1.7%増との発表がありました。
アークランドサービスホールディングスの株式の52%を持つのが、親会社である「アークランドサカモト(9842)」です。
アークランドサカモトというと、今年の6月にLIXILビバを買収して話題となりました。
株式投資をされない方でも名前を聞いたことがあるかもしれません。もともと、企業買収には積極的でした。
現在はグループ企業のホームセンター内で、「かつや」など同グループ企業の外食店舗を出店し、フードコートの運営も行っています。
アークランドサービスホールディングスの株主優待は100株で指定店舗で使用できるお食事券1,100円分が贈られます。
参照:アークランドサカモト
3. キリンホールディングス(2503)

コロナ禍の影響を受けている「キリンホールディングス(2503)」は、業務用ビールの売上に影響が出ました。
ビールや飲料品のイメージが強い企業ですが近年、医薬品にも力を入れ、医薬品の研究・販売を手掛ける「協和キリン(4151)」の株式を53%持つ筆頭株主となっています。
飲料品メーカーと医薬品開発メーカー、コロナ終息後の両者の動向に注目です。
キリンホールディングスの株主優待は100株で一番搾り4本詰め合わせセット(20歳以上の株主の方)か、キリンビバレッジ詰め合わせセットが贈られます。
参照:協和キリン
コロナ禍の影響で株主優待品の変更の可能性もあり
コロナ禍の影響で配当や株主優待品の変更、削除などの対応をする企業も多いです。
実際に株式を購入する際には、株主優待品等の内容を企業のHPにて再度確認されることをお勧めします。(執筆者:AFP 大川 真理子)